プログラミングとはコンピューターに行ってほしい動作の手順(プログラム)を与える作業のことです。コンピューターは人間と異なり自身での判断を行うことはできず、曖昧な指示では動作を行うことができません。
したがって、論理的でわかりやすいプログラミングをすることが必要ですが、そういったプログラミングを行うにはセンスが必要なのでしょうか。
プログラミングセンスの必要性
結論から言ってしまうと、プログラミングにはセンスが必要です。コンピューターへの指示を、明確に論理立てたプログラムに反映させるためには、自身で簡潔なロジックを構築できるセンスが求められるからです。
ただし、このセンスは生まれ持った才能だけによるものではありません。優秀なプログラマーと呼ばれている多くの人々は、プログラミングのセンスを磨くために努力を重ねているのです。
多様なシステム構築に対応するために必要
よく「このプログラムはセンスが良い」という声を聞きますが、そもそもセンスとはどのようなものなのでしょうか。開発対象によってさまざまなプログラムがありますので、それぞれのプログラムに応じたセンスが求められるようなものなのでしょうか。
多くのプログラマーが口をそろえて言うのが、センスが良いプログラムは「美しい」ということです。美しいプログラムには、余計なコードが書き加えられておらず、シンプルでわかりやすい、という特徴があります。さまざまなシステム構築に対応するための技術的なプログラミングのスキルは、基本的には、必要です。
しかし、開発対象のシステム特性の理解とともに、プログラミングのセンスの有無が、結果的にシステム構築の成功の鍵を握っていると考えられます。
プログラミングセンスの素質
それではどういった人がプログラミングのセンスを持っていると考えられるのでしょうか。
難しい判断ではありますが、技術的に優秀な人が全てセンスがあるとは言えないかもしれませんが、優秀な技術を身に付けているプログラマーにはセンスがある人も多いと考えられます。プログラミングセンスがある人の特徴が、技術力の高いプログラマーにも共通する素質があるということを見てみましょう。
プログラミングの基本構文から応用できる人はセンス有
プログラムを書くときには、基本の構文から応用的に構文を変形させていくことが必要になります。この基本構文の骨組みをしっかりと作成できる人は、応用的にプログラムを変化させても、余計なプログラムを追加させることなく、シンプルな構成を維持したまま最終的なプログラムを完成させることができます。
実はシンプルで美しいプログラムを書くにはセンスと技術力の両方が必要不可欠なのです。
プログラミングの経験を活かせる人はセンス有
これまでプログラム開発に携わってきた人は、これまでの経験を生かして円滑にプログラム開発を進めることができるでしょう。いくら今までプログラムの経験があるからといっても、一緒に働いてきた人たちの創意工夫やアイデアを自分の仕事にも役立ててみようと言う気持ちのない人は、センスがあるとは言えないでしょう。
優秀な(センスのある)人の仕事の進め方を、素直に自分のプログラムを開発する仕事に反映できる人はセンスがあると言えます。自分なりのやり方に固執することは、自分のプライドにとっては良いことかもしれませんが、チームで効率的に進める必要があるプログラム開発の仕事にとっては、不必要な要素でしょう。
プログラムを無駄のないコードで作る人はセンス有
プログラムを作成する時にプログラマーが目指すのは、いかにプログラムを短く、無駄なく、簡単に、コーディング(プログラムコードを作成すること)することです。
そのためには他人が作成したプログラムをたくさん見ておくことが必要になりますし、そうすると、どういったプログラムがセンスがあると言われるのかも理解できるようになります。無駄のないプログラムは美しいだけでなく、センスがあると評価されるのです。
プログラミングセンスの磨き方
それでは、プログラミングのセンスを磨くにはどうしたら良いのでしょうか。普段の仕事の中で気を付けるべきポイントを説明します。
基本構文をしっかりと学ぶ
英語を学ぶ時にも共通しますが、基本的なプログラムの構文を徹底的に学習することが重要です。プログラムを書くときには、基本構文をベースに、応用的なプログラムを付け加えていくことが通常です。基本構文の仕組みを身に付けておくことで、はじめて応用することが可能になるのです。
特殊な(応用的な)構文ばかり知っていても、他の案件のプログラミングには利用できない場合が多いでしょうし、例外的なプログラミングだけに使える知識となってしまいます。プログラミングのセンスは、基本構文をしっかりと理解しているからこそ育まれるものだと思われます。
コードをコピペする癖を直す
プログラミング作業をしていると、それまでに利用したものと同じコードを使う場合が多々あります。そのような場合には、手間をかけず短時間に作業をするためには、そのコードをコピペすることが多いかもしれません。確かにコードのコピペは楽ですし、作業の効率化になるかもしれません。
しかし、もしかしたら、もっと美しいシンプルでわかりやすいコードがあるかもしれません。何も考えずにコードのコピペばかりを使っていたら、別のもっとセンスがあふれるようなコードを発見することができないかもしれません。「何が何でもコピペ」が生む弊害を理解して、コードをコピペをする癖は直したほうがよいでしょう。
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脳内でプログラミングをしてみる
センスがあると言われているプログラマーは、コーディング作業の際に自分の頭の中でプログラムを書く作業をしている人が多いそうです。いくつものシミュレーションをして、パターンを考えていく中で、ベストのプログラムを探し当てることができるかもしれません。
常に「正解は一つではない」のがプログラムの世界です。脳内プログラミングは、プログラマーとしてのセンスを磨くことができるひとつの方法かもしれません。
コピーは使うべき場所とそうじゃない場所を使い分ける
プログラミングにおけるコピーについて否定的に感じたかもしれませんが、全てのコピペをNGとしているわけではありません。自分で作成した(自他ともに認める)センスあるプログラムであれば、作業をスムーズに進めるためにはコピペも有用な場合があります。
つまり、コピペを使っても良い部分と、そうでない部分の選択が重要になるということなのです。
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プログラミングセンスは才能1割努力9割
生まれ持ったプログラミングのセンスがあふれている人もいるかもしれませんが、それはごくまれでしょう。プログラミングのセンスとは、多くのプログラムを見て理解して、自分の頭でたくさんのプログラムを考えることにより身に付くものです。
センスがあると言われる先輩や同僚と一緒に仕事ができる人は幸せです。
きっとその人たちも一朝一夕でセンスを身に付けたわけでなく、自分なりの努力を続けてセンスを磨いてきたことでしょう。どういった努力をすることでセンスを磨くことができるのかを学べることは財産になります。
努力で学び経験を積む事でセンスは磨かれる
また、先人たちの努力を学ぶとともに、プログラムの経験を積むことでさらにセンスは伸びると考えられます。普段の努力と経験の積み重ねという、日々の積み重ねがセンスあるプログラマーを形成していくのです。
学生の時に勉強ができなくてもプログラマーになれる!
このように、たとえ学生時代に優秀な成績を収めていなくとも、きちんとプログラミングの基本に立ち返って努力と経験を積むことでプログラマーとして大成することは可能です。