個人事業主の場合、会社員とは違い健康診断を受けるタイミングが少なくなります。人間ドックを個人事業主が受診する場合は、受診料は経費にできるのか、なるべく安く受診するためにはいくつかポイントがあります。人間ドックの受診までの流れや、受診するプランの選び方などをご紹介します。
人間ドックは経費になるのか
健康診断よりも人間ドックでは、より精密な検査を行うため病気を早期に発見することに繋がります。個人事業主として人間ドックを受診したい場合、受診費用はできる限り抑えたいものです。人間ドックではどのような検査をするか、健康を維持するためにも知っておくと安心です。
人間ドックとは
人間ドックは分かりやすく言えば、普通の健康診断よりも細かな検査や高度な診断を受けることができます。例えば、目の検査では視力検査だけではなく、眼底検査も行います。より精密な検査ができるため、病気の早期発見や早期治療に繋げるために人間ドックを受診します。
基礎項目以外に、胃カメラ、MRI、CT検査など、希望すればより高度な検査を受けることができます。人間ドックは、35歳以上の方は年に一度は受診して、健康チェックをするのがおすすめです。
人間ドックは経費にはならない
個人事業主の場合、人間ドックは経費として計上することはできません。人間ドックは、あくまでも健康確認の検査であり、受診義務がないことが理由です。疾病の治療のための検査とは異なるため、人間ドックは経費にはなりません。
体が資本である個人事業主の場合、健康を維持することも大切なことです。経費にはなりませんが、費用を抑えるポイントを知っていれば手軽に受信できます。
人間ドックの申し込みから受診まで
人間ドックを受診したいときは、検査の申し込みを事前に行います。健康診断、人間ドックを専門に行っている施設以外に、個人医院でも受診をすることができます。申し込みをするときに確認する点や、何を重視して受診プランを選べばよいかをご紹介していきます。
まず電話で相談してみよう
初めて人間ドックを申し込みする場合は、受診したい機関に電話で確認をして相談をすると安心です。基本的にはベーシックなプランで問題はありませんが、場合によってはオプションの検査を加えたり上位のプランの検査を選んだほうがよいことがあります。
<事前に受診プランを確認した方がよい場合>
- 本人に持病や既往症がある
- 家族に持病や既往症がある方がいる
持病や既往症によって、必要な検査を追加することをおすすめします。胃が弱い場合は胃カメラの検査を追加したり、家族に脳梗塞を起こした方がいる場合は、MRIやCT検査などの上位の検査項目を追加することもできます。
胃の検査では、バリウム検査と胃カメラ検査がありますが、バリウム検査で異常があった場合は、胃カメラでの再検査が必要になります。胃カメラも鼻からカメラを入れるものと、口からカメラを入れるものがあるため、不安があるときは申し込み前に確認をします。
日程や料金も考慮してプランを選ぶ
人間ドックは、プランによって検査日程や受診料金に大きな差があります。基本検査は約4万円~5万円で受けることができますが、追加検査やより高度な検査を受ける場合には10万円を超えることもあります。
高いプランだからよい訳ではなく、各個人に合ったプランを受診するようにします。女性の場合は基本検査に、子宮頸がん検査や乳がん検査を追加することもおすすめです。
高いプランは検査料金だけではなく、時間も多くかかります。基本検査では、2時間程度で検査終了になります。上位の検査では、1泊2日の日程になる場合もあります。
持病や既往症がない方は、基本項目での人間ドックを受診して異常があれば再検査を受けるようにすると、料金も必要最低限に抑えることができます。
人間ドックの案内が届くので確認しておく
人間ドックの申し込みが完了すると、検査日の前に受診票と共に検査の案内が届きます。届いたら中身を見て、足りないものがないかを確認します。受診票は事前に記入をしておくと、受付での手続きがスムーズにできます。
人間ドックを受診する前日や当日は、検査の内容によっては飲食の時間に制限があります。食事や服用している薬の飲み方などは、検査にも影響するためきちんと確認をしておく必要があります。
受診場所へ出向き指示通りに従う
人間ドックの検査当日は、受診する機関の受付でまずは手続きを行います。受診票と保険証を忘れずに持って行くようにします。検査の前に、検査着へ着替えをするため、着替えしやすい格好で行くのがおすすめです。
検査スタッフの案内に従い、指示通り順番に検査を受けていきます。万が一、途中で具合が悪くなった場合は、無理せず申し出ます。検査が全て終了したら、検査表を提出します。全ての項目の検査が終わっていることをスタッフが確認し問題がなければ、私服へ着替えて会計をした後に帰宅になります。
麻酔を使用する検査をした場合は、麻酔が切れるまで施設内で休息をとる時間があります。麻酔後に車の運転をするのは危険なので、公共交通機関を利用して検査に行くようにします。
個人事業主が少しでも安く人間ドックを受診する方法5つとは
個人事業主は、出費はできる限り抑えたいものです。健康のための検査とはいえ、多額の金額を捻出するのは大変です。個人事業主がなるべく安く人間ドックを受診するためには、補助や割引制度を利用することがポイントになります。どのような補助や割引を利用できるのか、ご紹介をしていきます。
また、これからご紹介する方法以外に特に個人事業主におススメな自宅で数滴の血液と尿を採って郵送するだけで、がんや生活習慣病のリスクチェックが出来る『おうちでドッグ』というサービスもあります。
健康保険協会または健康保険組合の補助を利用する
個人事業主が人間ドックを受診する場合、健康保険組合の補助を受けられることもあります。自分が所属している保険協会や保険組合のホームページで、補助の内容を確認できるため、人間ドックを申し込みする前に確認をしておくと安心です。
協会けんぽで項目を追加する
一般健診の検査項目に検査項目を追加して、受診をすることも可能です。人間ドックと同じ検査を受診できるため、協会けんぽの検査オプションで自分に必要な項目を追加した場合と、人間ドックの基本検査プランの場合と、料金を比較しておくと、検査料金を節約することも可能です。
国民健康保険の割引制度を利用する
市町村によって、国民健康保険で人間ドックの検査の割引制度を設けています。自治体のホームページを確認して、割引制度や検査料金補助があるかを確認します。市町村によっては、脳ドックの検査料金の割引を行っている場合もあるため、通常よりも安く検査を受けることができます。
民間の生命保険会社の割引制度を利用する
生命保険会社でも、人間ドックの割引制度を設けている場合があります。検査結果を提出すると、保険料が安くなるなどのキャンペーンを行っている生命保険会社もあります。加入している生命保険会社の割引制度で、安く人間ドックを受診できます。
あんしん財団の割引制度を利用する
あんしん財団は、怪我の補償、災害防止、福利厚生補助金制度のサービスを行っています。個人事業主の場合は、月額2,000円で加入ができます。1年に1度の定期健診の補助金を、1名につき2,000円まで支給されます。
人間ドック、脳ドック、PET検診は、加入期間に応じて最大20,000円の補助があります。人間ドックの基礎項目の検査は、約4万円からなので半額程度の補助になります。人間ドックの受診料金の補助以外にも、割引制度が様々あるため、未加入の方は事前に調べてみることをおすすめします。
人間ドックだけではない!個人事業主が受診できる4つの健康診断とは
個人事業主として受診できる健康診断は、人間ドックの他にも種類があります。年齢や持病などに応じて、自分に合った健康診断の受診ができます。健康診断は、人間ドックよりも比較的安価で受けることができます。
自治体の一般健康診断を受診
各自治体では、一般健康診断を実施しています。項目数は人間ドックに比べて少ないですが、無料で受けられる検査項目もあります。年齢が若くて持病がない方は、一般健康診断でまずは受診をしてみることもおすすめです。
<自治体の健康診断のメリット>
- 格安で受診ができる
保険組合指定の健康診断を受診
保険組合で指定されている健康診断を受診すると、補助が受けられたりする場合があります。補助が受けられる条件や金額は、保険組合ごとによって違うため事前に調べておきます。乳がん検診、子宮頸がん検診、肝炎ウイルス検査、特定健康診査なども指定されています。
<保険組合指定の健康診断のメリット>
- 条件によって健康診断の補助が受けられる
特定健康診査を受診
特定健康診査は、生活習慣病予防のための健康診断です。各自治体で実施されており、無料か500円~1,000円程度で受診をすることもできます。生活習慣病は早期発見と治療が大切なので、検査を受けることが大切です。これまで受けたことがない方は、生活習慣病の検査を受けることもおすすめです。
<特定健康診査のメリット>
- 生活習慣病予防のための検査を詳しく受けることができる
最寄りの医療機関で受診
30代以下の方で、市町村の一般健診が受けられない場合は、医療機関で有料の一般健診を受けることもできます。費用は数千円~10,000円程度で、一般健診を受けられます。人間ドックよりも安価で、基礎的な項目の検査ができます。
<医療機関で一般健診を受診するメリット>
- 家の近くの病院で基礎項目の検査をできる
個人事業主は体が資本!人間ドックなどで健康管理しよう
個人事業主の方は、自分の体が資本になり、体調を崩してしまったら取引先にも迷惑がかかってしまいます。会社員と違い、個人事業主には傷病手当がないため、健康管理が大切です。
普段の食生活や運動など、毎日の積み重ねが健康を維持するには必要です。人間ドックでは、早期発見や早期治療に繋げるための検査です。健康管理をするためには、人間ドックで精密な検査が大切です。健康への心配や不安を解消できるため、人間ドックを受けたことがない方は一度受けてみることをおすすめします。