Ruby on Rails、通称Railsが注目されています。プログラミング言語として人気の高いRubyとは、どういった関係なのだろうと考えている人もいるかもしれません。
では、Ruby on Railsの特徴とはどんな点にあるのでしょうか。Rubyとの相違点や、Ruby on Railsを学んだ場合の将来性について解説していきます。
Ruby on Railsの3つの特徴
Ruby on Railsには3つの特徴があります。それぞれ、とても重要かつ便利な特徴です。プログラミングの根幹にかかわる話でもあるので、しっかりチェックしておきましょう。
機能が分離されていて分業可能
Ruby on Railsでは、機能が分離されているため分業が可能になり、効率が良いという点が挙げられます。Ruby on Railsは、MVCモデルという概念のもとに造られています。
MVC
- M…Model データ処理を行う・記述をする
- V…View モデルの表示を行う
- C…コントローラ viewから入力された内容を判断し、Modelにメソッド操作の命令を下す
※メソッド…さまざまな処理をまとめて扱いやすくしたもの
これらの機能がそれぞれにひきずられてしまうと、分業をすることができなくなってしまいます。しかしMVCモデルを活用して開発することで、それぞれの処理を分業して、効率的な処理が可能になります。
面倒な作業を省略するので開発が楽
またRuby on Railsは、DRY原則というものにのっとって造られています。DRY原則とは「Don’t Repeat Yourself」という言葉の略語です。
直訳すると、「あなたの(コード)を重複させてはならない」となります。これは、『達人プログラマー システム開発の職人から名匠への道』という大変有名な書籍で紹介された、以下に引用する言葉がもとになっています。
「すべての知識はシステム内において、単一、かつ明確な、そして信頼できる表現になっていなければならない」
同じコードが重複する、つまり2か所以上に記述する場合、片方に変更が出たら、もう片方も変更する必要が出てきます。変更しなければ矛盾が起きてしまいますし、それでなくても、コードの重複はバグを生み出しやすいとされています。
Ruby on Railsはこういった重複を防ぎ、ミスが起きにくくなるだけでなく、実質的に作業が効率化するというメリットがあります。
初心者でも比較的簡単に本格的なWebアプリを作れる
Ruby on Railsはフレームワークというものです。フレームワークとは、WEBアプリを作成するためのシステムの枠組みが、あらかじめ入っているものを言います。自分でゼロからアプリを構築する必要がなく、ちょっとした手間で本格的なものが作れる、インスタント食品や組み立てキットのようなものになっています。
そのため、プログラミングについて非常に詳しい知識がなくても、WEBアプリケーションを作成できるようになっているのです。
Rubyのプログラミング言語との3つの違い
それでは、RubyとRuby on Railsとは、何が違うのでしょうか。その違いを判りやすく説明していきます。
Ruby on Railsはプログラミング言語ではない
Rubyはプログラミング言語です。プログラミング言語とは、コンピュータが理解する機械語と、人間の使う言語との仲立ちをする特殊な言葉です。Rubyは日本人によって開発されており、日本人にも見やすく書きやすい、美しいプログラミング言語として人気があります。
一方、Ruby on Railsはプログラミング言語ではありません。プログラミング言語であるRubyのために開発された、専用のフレームワークと呼ばれるものです。Rubyは日本人が開発しましたが、Ruby on Railsは外国で開発されました。そのため、基本的にサイトなどは英語表記になっています。
少ないコードで動作するWebアプリを開発できる
Rubyは初心者向けと言われる、とても使いやすいプログラミング言語のひとつです。少ないコードで動作するWEBアプリケーションを開発することができます。RubyはもともとWEBアプリケーションの開発に優れており、COOKPADや食べログといったさまざまなサイトにも活用されています。
フレームワークを使ってWebアプリの開発ができる
Rubyは初心者向けと言われても、その奥は非常にディープです。SNSやショッピングサイトの構築にも向いているため、需要が多く求められるスキルと言われています。さらに専用の非常に使いやすいフレームワークがあるため、より効率的にWEBアプリケーションを開発できます。そのフレームワークこそ、Ruby on Railsなのです。
フレームワークとは?
Rubyはプログラミング言語、Ruby on RailsはRuby専用のフレームワークとご紹介しました。それでは、フレームワークとはどんなものなのでしょうか。
フレームワークとは枠組みの事
フレームワークとは、そもそも枠組みの事です。WEBアプリケーションなどを造るための大まかな作業の枠組みがすでに組んである、とても便利なものです。何も判らない状態でいきなりアプリを作れ、と言われても、戸惑いますよね。でもフレームワークがあれば、その使い方のコツさえマスターするだけで、あとは勝手に作成が進みます。
フレームワークを「カレーやシチューのルウ」に例える人もいます。ルウを入れるだけで、シェフが作るカレーやシチューのような味になりますが、それを自作することはとても大変な手間ですよね。
また、工作のキットや家庭菜園のキットにも似ています。自分で板をカットし、土壌改良をし、設計図を造り、野菜の苗の接ぎ木をする……となると、とても大変です。専門知識がなければできないこともあります。
しかし、キットがあれば、そろっている材料を組み立てて接着するだけ、植物を植えて毎日水をやるだけで、ちゃんと工作や野菜ができあがります。フレームワークは、素人が一つずつ行うにはとても大変で、手間もかかることを、ある程度レールを敷いてくれることで、判りやすく効率的にできるようにしたものです。
たった数行のコードでWebアプリの開発ができる
フレームワークであるRuby on Railsを使うと、たった数行のコードでWEBアプリケーションの開発ができるものもあります。よく使う記述のひな形を作る事もできるため、より効率化することもできます。慣れてくることで、さらにスピーディーになります。
配布サイトでだれでも簡単に入手する事ができる
Ruby on Railsは、下記の公式サイトから無償でダウンロード・インストールすることができます。無償なので、誰でも簡単に入手できます。Ruby on Railsを使うには当然Rubyも必要ですが、こちらもオープンソースなので無料で配布されています。
Ruby on Railsの最大の特徴は将来性
Ruby on Railsの最大の特徴は、誰でも簡単にアプリケーションの開発ができるということではありません。その使いやすさ、汎用性が持つ、大きな将来性なのです。
Webアプリ制作会社で常に募集している
WEBアプリ制作会社、ベンチャー企業では、常にRubyを使いこなしてWEBアプリを開発できるエンジニアを募集しています。
Rubyを使いこなせるという事は、Ruby on Railsを使いこなせるということとほぼ同じ意味になります。つまりRuby on Railsを使いこなせるスキルを持っていれば、求人に困る事がない、ということなのです。
Webアプリの多くがRubi on Railsで開発されている
WEBアプリケーションの多くが、現状Ruby on Railsによって開発されています。
- COOKPAD
- クラウドワークス
- 食べログ
- 価格.com
- Hulu
他にもたくさんあります。海外で開発されたものもあります。キャッシュ処理やID・パスワード登録といったアプリケーションも開発できるので、自分だけの凝ったサイトを作る事もできますよ。
プログラマの慢性的不足で求人が絶えない
プログラマやエンジニアのスキルを学ぶ人は少なくありませんが、より需要の高い言語やフレームワークを使いこなせる人ばかりとは限りません。そんな中で、RubyとRuby on Railsの求人は、慢性的人手不足のためしばらく絶えることはない、と考えられています。そのため、就職・転職の強い武器となるのです。
年収も高く生活に余裕が持てる
需要が高く汎用性が高いスキルを持っていれば、将来的にスキルアップ転職や独立起業も夢ではありません。より年収の高い職につき、生活に余裕を持って人生を送っていくこともできます。稼げるスキルを持っている……それが今の世の中、一番心強いですよね。
【まとめ】Ruby on Railsをマスターして明るい未来を掴もう!
Ruby on Railsをマスターすることで、いろいろなスキルが身につきます。さらにRuby on Railsを使いこなせるプログラマやエンジニアは常に人手不足なので、求人もたくさんあります。Ruby on Railsを使いこなせるようになれば、就職や転職、起業も夢ではありません。努力は必要ですがマスターして、明るい未来を掴みましょう!