Ruby on Railsは、意外と簡単に学ぶ事ができます。Ruby on Railsは、プログラミング言語のRubyのために開発された、フレームワークです。フレームワークは処理を効率的に素早くするためのシステムです。
もともとRubyは初心者向けと言われており、さらに使いやすいRuby on Railsは、初心者が学ぶことに適しているため、多くの人が学んでいます。ここでは簡単なRuby on Railsの使い方と、おすすめの参考サイト4種、IDE5つをご紹介します。
Ruby on Railsの使い方について7ステップ
Ruby on Railsの使い方について、7ステップに分けて見てみましょう。どんな手順で使い始めれば良いのでしょうか。
Ruby on Railsのインストール
まずは、Ruby on Railsをインストールしなければなりません。インストールは、公式サイトから行えます。
インストールするためには、まずRubyをインストールしなければなりません。Rubyをあらかじめインストールしておきましょう。
その他、Windows使用者は、Ruby Installer Development Kitもインストールします。
⇒Ruby Installer Development Kit
また、WindowsでRuby on Railsインストーラを介してインストールしていない場合、SQLite3データベースも必要になります。その場合はインストールしておきましょう。ここまでインストールが終了したら、いよいよRuby on Railsをインストールします。Gemのインストールは、Ruby Gemsのコマンドを使ってインストールします。
アプリケーションの作成と実行
RubyとRuby on Railsを無事インストールできたら、アプリケーションを作成して実行してみましょう。基本的に、作業はコマンドプロンプトで行っていきます。コマンドプロンプト(バックが黒くなっているWindowsの機能で、コマンドを入力できるようになっている)を立ち上げましょう。
コマンドプロンプトが立ち上がったら、ディレクトリ(フォルダ)を決めて、新しく作成していくアプリケーションファイルを移動させます。
アプリケーションの作成は、コマンドプロンプトに「rails new アプリケーション名 [option]」と入力します。optionには、使用するデータベースを入れます。入れなかった場合はSQLite3が入ります。
コマンドプロンプトに入力し、「rails new アプリケーション名」を実行すると、自動的にさまざまなファイルが作成されます。
次々にファイルが作成され、最終的に「bundle install」まで自動的に実行されていきます。すべて終わると、「Your bundle is complete!」から始まる文が表示されたら、アプリケーション作成は完了です。アプリケーションが作成されると、同じ名前のディレクトリ(ファイル)が作成されて、その中にひな形になるさまざまなファイルやフォルダが作成されます。
Scaffoldを使用したアプリケーション雛形の作成
Scaffold(スキャフォールド)を使用する、アプリケーションひな形の作成方法もあります。Scaffoldは、コードを自動生成してくれる機能です。
使用したいデータの型を指定すると、その土台となるひな形を作ってくれます。Scaffoldを使うにあたり、テスト用に「rails new scaffold_sample」というサンプルのコマンドを実行し、サンプルアプリを作ってみましょう。
Scaffoldを実行すると、多くのファイルが自動で生成されます。
- Userモデル
- コントローラ
- ルーティング
- マイグレーションファイル
- ビューファイル
といったものが生成されていることを確認してみましょう。
コントローラとアクションについて
コントローラというものが先ほど作成されましたね。コントローラは、ユーザーの指示を受け取って、他の機能と連携して指示された結果を返す役割を果たすために作成されます。このコントローラでは、メソッド(関数)が定義されています。関数とは、いくつかの処理をひとつにまとめて扱いやすくしたものです。
Ruby on Railsでは、基本となる7つの非常に重要なメソッドがあり、それらをアクションと呼んでいます。Ruby on Railsのアクション7つをご紹介します。
- index…リソース(操作対象になっているデータ・Railsの場合モデル)の一覧表示をする
- new…リソースを新たに作成する
- create…リソースを新規作成したのち保存する
- edit…リソース更新のためのフォームを作成する
- show…レコード(モデルのオブジェクト)の内容を表示する
- update…リソース更新
- destroy…リソース削除
ルーティングの設定
ルーティングとは、ブラウザからのリクエストを、コントローラで定義した7つのアクションに結びつけることです。HTTPメソッド+URLという形のリクエストを出す事で、アクションを呼び出します。この処理のことを、ルーティングの設定と呼んでいます。
HTTP+URLに、「GET」や「DELETE」といった指示を加えると、showアクションやdestroyアクションを呼び出す事ができます。
モデルとデータベース
Ruby on Railsはフレームワークであるとご紹介しましたが、フレームワークの基礎はMVCと呼ばれています。MVCのMがモデル、Vはビュー、Cはコントローラを指します。
- モデル…データベース・記述
- ビュー…モデルの表示
- コントローラ…ビューからの入力内容を判断、モデルを起動する
といった形になっています。
Ruby on Railsでは、モデルはデータベースとのやり取りを行うものです。データベースは、テーブルと呼ばれる情報を表のように並べたもので、テーブルの列をカラム、行をレコードと呼んでいます。
つまりRailsのモデルを使用すると、まるで表を目の前に浮かべているように分かりやすいコードで、データベースを扱えるようになります。
テンプレート(ビュー)とヘルパーメソッド
Ruby on Railsにおいて、テンプレートとはHTMLを生成するものであり、フレームワークのMVCのビューにあたります。コントローラから受け取った様々な情報を、利用者からのリクエストに対して返すために、テンプレートが使用されます。
テンプレートは、利用者のリクエストに対して、様々な処理を行ってHTMLページを作成し、利用者へと返します。ヘルパーメソッドは、テンプレートの中で使用される汎用的な機能、およびヘルパー的な機能をまとめたメソッドのことです。
特定のHTMLタグとして出力され、HTMLを作成する際の効率化を図ってくれます。
Ruby on Railsのチュートリアルが学べる参考サイト4選
Ruby on Railsのチュートリアル(教材・説明書)を学ぶ事ができるおすすめの参考サイトを4つご紹介します。自力で学びたいという方におすすめです。
RubyLife
公式サイト:RubyLife
RubyLifeは、RubyとRuby on Railsを使用するにあたって必要な開発環境の構築・整備や、プログラミングについての方法を説明する学習サイトです。シンプルで分かりやすい説明になっており、RubyとRuby on Railsを初めて使う方にもおすすめできます。
小学生でもわかるRuby on Rails入門
公式サイト:小学生でもわかるRuby on Rails入門
小学生でもわかるRuby on Rails入門は、OpenBookで公開されているチュートリアルです。OpenBookは、共同編集が効率的に行える電子書籍で、自由に閲覧ができます。実際に、とても分かりやすい内容です。
ドットインストールのRuby on Rails入門
公式サイト:ドットインストール
ドットインストールのRuby on Rails入門は、レッスン動画集です。実際にレッスン動画を見ながら勉強することができるので、言葉の説明ではわかりづらい部分も見て理解できます。
シラバス
公式サイト:シラバス
シラバスはキュレーション型のeラーニングシステムです。さまざまなコースがありますが、Railsの使い方、チュートリアルもあります。
実際には、2chの簡易クローンアプリを開発しながら、Ruby on Railsを実践方式で学んでいきます。
Ruby on RailsにおすすめなIDE5選
Ruby on Railsを使うためには、IDE(統合開発環境)を整える必要があります。Ruby on RailsにオススメのIDEを5つご紹介します。
Eclipse
Eclipseは、IBMが開発したオープンソースの統合開発環境です。「蝕」という意味のある、エクリプスという名前がついています。Javaで人気がある統合開発環境ですが、Ruby on RailsのためのRadRailsプラグインを追加することで、Ruby on Rails開発にもカスタマイズできます。世界的にも人気の高いIDEです。
3rdRail
3rdRailは、Eclipseをベースに開発されており、Ruby on Rails専用として使用できます。そのため使い勝手が良いIDEです。
Aptana Studio
RadRailsを継いだシステムで、こちらもEclipseをベースとして開発されました。このプラグインを追加することで、EclipseもRuby on Railsを使えるようになります。無償で使えるものと有償版があります。無償で使えるものからスタートして、有償版を使うかどうか決めると良いですね。
NetBeans
インストールするだけで、機能がたいてい揃う、汎用性抜群の統合開発環境です。初心者に人気があります。RubyとRuby on Railsをカバーしているのはバージョン6.0以降になります。
Ruby Mine
Ruby・RubyとRuby on Rails専用のIDEです。テキストエディタも使いやすく、30日間は無償で使えます。
【まとめ】Ruby on Railsの使い方は初心者でも意外と簡単!
Ruby on Railを使いこなすことは、初心者でも意外と簡単です。Rubyをより使いやすくしたものがRuby on Railsですし、分かりやすいチュートリアルやテキスト、IDEもいろいろあります。初心者からプロまで使いやすいと評判の高いRuby on Railsなら、難しそうなプログラミングの世界がぐっと近づくのではないでしょうか。