現在、プログラミングを学ぶ人々の間で、プログラミングがいずれAIで自動化されてしまい、人間が今やっているコーディングなどの仕事が無くなってしまうのではないか、という不安がささやかれています。
AI業界は確かに非常に伸びつつあり、注目も集めていますが、実際に全自動化の時代はやってくるのでしょうか。そしてその時、プログラマーやエンジニアとして働いている人はどうなるのでしょうか。
そもそもAIとは?
そもそも最近話題のAIとは、いったいどういったものなのでしょうか。なぜ人の仕事だったプログラミングを自動化することができるのでしょうか。
AIとは人工知能である
AIは、日本語でいえば「人工知能」です。人間は知能をもって、認識や判断、記憶、会話などの活動を行っています。プログラムは一般的に、人が命令をプログラミングによって伝え、それに従ってさまざまな処理を行います。どんなに複雑で素早い処理もそうです。
AIは、人間が持っている知能、知的活動を、プログラム自身が学習していくことで実現する技術です。AI技術はかなり以前から研究が進んでおり、概念も人々に知られるところとなっています。それらをテーマにした映画や小説なども数多くありますね。
特化型人工知能と汎用人工知能の二つがある
AIといっても、ただ「学習するプログラム」というだけではなく、種類があります。
- 特化型人工知能
- 汎用人工知能
大きく分けると、上に挙げたふたつに分けられます。
特化型人工知能
特化型人工知能は、特定の範囲、特定の技術に特化させた人工知能です。たとえば囲碁や将棋、チェスなどの対戦をする人工知能がそれにあたります。人工知能といっても、もとは人類の知識の蓄積です。しかし何度も何度も学習し、さらに研究も進み、人間の天才を打ち破るほどの知能を備えたものも出現し始めています。
汎用人工知能
人工知能というよりも、「ロボット」や「アンドロイド」のようなものを想像すると、ピンとくるかもしれません。汎用というように、ある特定の技術や技能に限らず、人間の行うさまざまな知的行動を、まるで人間のように自己で判断して行います。
この研究はすでに半世紀以上世界中で続けられています。いずれはドラえもんや鉄腕アトムのように、まるで人間のように人間くさく、悩んだり笑ったりするロボットが作られると考えられていました。
しかし、その研究は非常に難しく、現在ではそこまでのスペックをもった汎用ロボットはまだ開発されていません。ドラえもんの誕生日まで、あと約100年。それまでに、汎用人工知能第一号が誕生するかどうか、というのが現状かもしれませんね。
なぜプログラミングをAIに任せるのか?その3つの理由
それでは、人間の仕事を削るかもしれないという不安がつきまとっているにも関わらず、なぜプログラミングをAIに任せようという動きがあるのでしょうか。その3つの理由をご紹介します。
人件費の削減ができる
まず挙げられるのは、人件費の削減ができるという点です。エンジニアやプログラマーが人気の職業になっているということは、それだけ稼ぐことができるということにもつながりますよね。
しかしプログラミングに人の手が必要なければ、多くのエンジニアやプログラマーを雇う必要がなくなります。結果的に、企業は人件費の削減をすることができるのです。
自分で学んで自由にプログラミングができる
人工知能は自分で学習するという点が特徴です。自分で学習することで、人間のように自由なプログラミングができると考えられています。
コーディングミスなどが無く効率的
人工知能は機械です。人間に近いと言っても、現在のAIの技術では、完全に機械の立ち位置にあります。そのため、コーディングミスなど、人間が犯すケアレスミスが発生しません。ミスが発生しないので、効率的になると考えられているのです。
プログラミングのAIによる自動化が及ぼすエンジニアへの影響
プログラミングのAIによる自動化は、実際のところどのくらいエンジニアに影響を及ぼすのでしょうか。その点について具体的に見ていきましょう。
簡単なプログラミングの仕事がなくなる
まずは、今副業やバイト感覚で多くの人々が携わっている、簡単なプログラミングやコーディングなどの仕事はなくなると考えられています。先程もご紹介したように、機械はコーディングなどで人的ミスを犯しません。また開発の都合もあり、もっとも単純で簡単、さらに人手が必要となる仕事から活躍の場を広げていくからです。
エンジニアはさらに難しい仕事をする事になる
コーディングのような地道な仕事が無くなる代わりに、エンジニアは今よりもはるかに難しく、複雑な仕事をする立場となります。人工知能には得意分野があります。膨大な知識を利用して、マニュアル通り行うような仕事、専門職や国家公務員などの仕事も取って代わられるかもしれないと言われています。
また膨大な判例の中からもっとも適したものを探す司法関係の仕事、計算を行う会計士や税理士といった仕事もAIの得意分野です。逆に、発想力や創造性の高い仕事はAIが非常に苦手としているものです。また、よく言われることですが、「ゼロからものを創る」ことも苦手です。
エンジニアはAIよりもはるかに高い創造性と発想力、アイデアを形にしていく仕事、人間だからこそわかる不備を素早くチェックする仕事など、複雑で難易度の高い仕事が要求されます。
エンジニアは高いスキルが求められるようになる
これまでよりも複雑で難易度の高い仕事が要求されるようになるため、より高いスキルが求められる仕事になると考えられます。
といっても心配することはありません。いきなり明日からAIが世界を変えるということはありません。いずれ「AIがすべてにおいて人間を超える」時がくるにせよ、それまでにはいくつもの段階が存在するはずです。
ITの世界では、数年に一度大きなトレンドの波がやってきます。こうしたトレンドの変革の時こそ、自分を伸ばし世界の舳先へと飛び出すチャンスです。そしてこうした波に乗り続けることで、AIが世界を変えていく様を最先端で見、学ぶ事ができるようになります。
常にアンテナを張り、特にAI業界から視線を離さないようにさまざまな知識を得るようにしておきます。またアメリカで何か動きがあればすぐに日本に入ってくることを意識して、勉強を続けましょう。
これからのエンジニアに求められる能力3選
これからのエンジニアに求められる能力を3つピックアップしてみました。参考にしてみてくださいね。
クライアントの求めるものを素早く形にする理解力
まずはクライアントが求めているイメージを、素早く形にできる理解力です。クライアントのイメージというものは、これまでに無かったものですよね。 これまでに無かったもの、つまりゼロだったものを、よく理解し、新たに作り出すことは、AIの苦手とする分野です。そしてそこにこそ、エンジニアが活躍していく場があるのです。
クライアントとの高いコミュニケーション能力
これからは、営業職もAIが行うようになると言われていますが、それでもすぐにすべての人間が、機械との対応に慣れるとは考えにくいですよね。そこで、クライアントの気持ちをよく慮り、すぐにイメージを形にする理解力と創造性を持ち、それを確実に伝えられる高いコミュニケーション能力も必要になります。
幅広いIT知識を持っている
AIは今後ITのさまざまな分野に活用されていきます。そのため、AIがどのような分野で使用されるようになったかを正確に知るためには、幅広いIT知識を持っていなければなりません。専門分野だけに知識が偏っているという方は、プログラミングスクールや第一線で活躍するエンジニアのブログなどを参考に、幅広い知識を得ておきましょう。
【まとめ】AIで自動化されてもエンジニアの需要は変わらない!
AIでプログラミングが自動化されたとしても、エンジニアの需要は変わりません。想像力や創造性などはAIの苦手とするものです。またどこで発生しているか分からないバグの発生個所を、長年の「カン」で探り当てるといったようなことも、人間のなせる技ですよね。
しかし今後は、単純で簡単な仕事からAIに奪われていく可能性は十分あります。今のうちにできるだけスキルを磨き、来るべき時に対応できるようにしておきたいですね。