プログラミングを学ぶにあたり、プログラミング言語の習得は不可欠です。中でも「C言語」は基礎的なプログラミング言語として、「不可欠だからと勉強させられた」「勉強しろと言われたので勉強した」という人も多いでしょう。
しかしC言語は人気がありません。学んだ人は多くが「つまらない」と言います。ではC言語はなぜつまらないと感じてしまうのでしょうか。そしてどれくらい必要なものなのでしょうか。詳しくみていきましょう。
そもそもC言語ってなに?
それでは、そもそもC言語とは何なのでしょうか。C言語がどんなプログラミング言語なのか、基本的なことを調べてみました。
1972年に開発されたコンパイル型汎用プログラミング言語
C言語は非常に歴史の古いプログラミング言語です。プログラミング自体は第二次世界大戦中のアメリカなどでもうスタートしていましたが、C言語は非常にハイレベルなプログラミング言語として誕生しました。
コンパイル型の汎用プログラミング言語です。コンパイルとは、プログラミング言語から機械が理解する「機械語」と呼ばれるものに翻訳されるものです。プログラミング言語は、機械語と人間の言葉の中間にあるもので、人間がプログラミング言語を理解して覚え、それによってソースコードを記入することで、機械が翻訳して理解してくれます。
翻訳した機械語(オブジェクトコード)がコンパクトなので、処理性能がよく、スピードも速いとされています。 機械語と比較すると人間にとっては記述も解釈もとても簡単にできる高級言語として画期的な開発でした。
世界中で使用されている歴史があるプログラミング言語
現在、世界中のエンジニアたちが競って新たなプログラミング言語の開発を進めています。すでに200以上の言語が存在すると言われていますが、実際によく活用されているものは20~30、その中でも非常に汎用的なものは数個とされています。
C言語は開発からすでに50年近くが経過しているにも関わらず、今でも世界中でシェアがあり、人気も高く汎用性も持ち合わせたままです。プログラミングを職業としている人にとっては基本的、基礎的なプログラミング言語であり、学習しておきたいスキルのひとつといえます。
C言語をつまらないと感じてしまう3つの理由
C言語はいかに歴史があり、今でも多くの人々の役に立っているか、プログラミングの基礎・基盤になっているかが分かりますよね。でも、実際に学んでみると、「C言語はつまらない……」と感じてしまう人が多いのです。それはなぜなのでしょうか。
もっとも多い理由が「難しいから」
もっとも多い理由は「難しいから」になります。人間の言葉よりも機械語により近く、さまざまなプログラミング言語と比較すると、かなり学習難易度は高くなります。
そのため、基礎ではありますが初心者向けではありません。しかしある程度プログラミング言語を学んだ人にとってはそんなに難解ではありませんし、コンピュータやプログラミングをより深く学ぶために役立ちます。
ただ、まったくプログラミングにもコンピュータにも触れずにこれまで来た、という初心者が、いきなりC言語から学んでしまうと、あまりの難しさに挫折してしまうことが多いのです。
他のプログラミング言語よりも構文が読みにくい
C言語はプログラミング言語の基礎ではあるのですが、改良を重ねられる前の状態であるだけあって、最近のプログラミング言語と比較すると読解しづらく打ち込みにくくなります。新しい時代に開発されたRubyやPythonといった今人気の言語に比べると、機械語にとても近いことが分かるのではないでしょうか。
読みにくく打ちにくいため、プログラミング言語のコーディングにまだ慣れていない初心者にとっては、かなり面倒で難しい言語といえるのです。
初心者が簡単に覚えられるプログラミング言語ではない
機械語により近く、読みにくい上に構文の書き方も簡単ではないといった理由で、「難しい」「挫折しやすい」「覚えにくくてつまらない」と言われてしまうのが、C言語の特徴です。特にプログラミング初心者にとっては、算数をゼロから学び始めたはずなのに、最初の単元がいきなり因数分解だった……くらいの衝撃を受ける方もいるかもしれません。
やはり、何事も簡単で見やすく、覚えやすいものからコツコツ学んで、そして「できる喜び」「動かせる喜び」を知っていくことが重要です。C言語は決してすべての人にとってつまらなく、難しくて、勉強しても挫折してしまうものではありません。ただ、初心者が最初のうちに学ぶべきではない言語、ということなのです。
つまらないのにC言語を学んだ方が良いと言われる理由
つまらない、難しいと言われるC言語ですが、今も全く人気は衰えません。それどころか非常に人気の高い、よく利用されているプログラミング言語のひとつであり続けています。もちろん、そこには難しさやつまらなさを吹き飛ばす「魅力」と「実力」が存在しているのです。
Webアプリの開発ができるようになる
C言語を学ぶと、Webアプリの開発ができるようになります。C言語は汎用性の高いプログラミング言語で、さまざまなアプリ開発が可能です。C言語では理論上、Webアプリの他にもスマホアプリや組み込みアプリなどの作成ができるようになります。
パソコンの仕組みに詳しくなる
C言語をマスターした人が口をそろえて言う事が、「C言語を学んだことで、パソコンの仕組みに詳しくなれた」という事です。C言語は、私たちが今当たり前のように使用している家庭用のパソコンやスマートフォンなどが生まれるはるか以前から、汎用的プログラミング言語として活用されてきました。
初心者が学ぶには少々難しい点もありますが、C言語を学ぶ事でコンピュータが歩んできた道のりや、パソコンの仕組みについても知ることができるのです。
ロボットの制御を行う事ができる
C言語は組み込み型アプリを作る事ができます。もちろん、ロボットの制御に使用される組み込みアプリの作成も可能です。C言語は処理速度も速いため、今後ロボット開発など新たな分野により活用されていくと言われています。
世界中で需要が高いプログラミング言語だから
世界中で需要が高いプログラミング言語として知られています。プログラミング言語として人気があるのは日本だけではありません。世界各地でC言語を活用したアプリやプログラムなどが使用されており、一見コンピュータとは関係なさそうに見える機械にも、使用されていることは少なくないのです。
C言語で行き詰った時の2つの対策
C言語を学んでいる時にいて行き詰ってしまった時は、どうすれば良いのでしょうか。学んでいるのに身につかない、理解が進まないとイライラしてしまった場合に役立ちますよ。
少し勉強から離れてみる事も重要
ずっと根を詰めて同じ作業を続けていると、だれでも退屈をしてしまいます。そんな時は、少し勉強から離れて、作業の効率化を図りましょう気分転換にこれまでにできるようになった、簡単なプログラミングに戻って毎日コーディングに触れることは、今後の素早いパフォーマンスのためにも役立ちます。
もちろん全く違う趣味を楽しむなどして、完全に気分転換をすることもおすすめです。勉強から少しだけ離れてみるだけで、違う視点で見られるようになるかもしれません。
プログラミングスクールに通って基礎から学ぶ
独学で簡単な言語からスタートしたけれど、C言語に入って頓挫してしまい、どうしても先に進むことができないという場合は、専門のスクールに通って基礎から学びなおすということもおすすめです。
どうしても先に進めないということは、C言語を学ぶ前の時点で、独学の中で何かが欠落しているのかもしれません。そこを補ってもらうことで、スムーズに勉強が進むようになるかもしれません。
【まとめ】何となくわかったふりをしないでしっかり理解しよう!
C言語だけでなく、プログラミング言語すべてに言えることですが、何となくわかっただけでもそれなりに使えてしまうため、あやふやな知識のまま先に進んでしまう人もいます。しかし、初心者むけのプログラミング言語をあやふやな知識のまま使っていると、いざC言語のような難しいプログラミング言語を学び始めた時、つまずきの原因になるかもしれません。
少しでも動かせるようになると面白くなって次々と進んでしまいますが、ある程度まで知識が増えたら、C言語をプログラミングスクールで学ぶなど、基礎固めをしておきましょう。