起業して、Webデザイナーの仕事をフリーランスで始めたら、毎年確定申告を行う必要があります。個人事業主として、帳簿付けなどの仕事もしなければなりません。
でも、Webデザイナーの経費と言われても、ピンとこない人も多いのではないでしょうか。でも意外といろいろあり、知らずにいると損をしてしまうのです。Webデザイナーの確定申告で経費として計上できるものを知っておきましょう。
そもそも経費とは?
そもそも経費とは、どんなお金なのでしょうか。これまで確定申告には縁がなく、まるで分からないという方は、経費についても詳しくなっておきましょう。
仕事上必要なものを購入した費用の事
経費とは、仕事上必要なものを購入した際の費用になります。よく「経費で落とすから領収書をもらっておいて」といったセリフを、ドラマなどでも耳にしますよね。仕事で使うものは、実際の仕事に関わるものだけでなく、仕事を円滑に行うための交際費や宣伝費といったものも含まれます。
少しでも仕事の事に関わった、仕事の話になったという場合、お金を払う必要があった時は、忘れずに領収書をもらっておくようにしましょう。経費の計算が必要になるのは、毎年春先に行われる確定申告の時です。個人事業主は、白色申告と青色申告のどちらかになります。
青色申告は帳簿が複雑で、事前に登録しておかなければならないため、これまで個人事業主からは敬遠されがちでした。しかし、最近では会計ソフトが非常に優秀で、とても便利です。会計ソフトやクラウドサービスなどを使うと、青色申告も白色申告とほとんど手間が変わらなくなってきています。
青色申告をすると、白色申告よりも控除額が高くなり、さらにメリットも多くなります。せっかくIT関連のお仕事をするのであれば、会計ソフトを上手に使って青色申告にトライしてみましょう。
事業を運営するためにかかったお金などの事
経費は、事業を運営するためにかかったさまざまなお金や、一部の税金も含まれます。仕事に使うお金といえば、原材料費や人件費というイメージがありますよね。でも事業を運営するには、実は細かなお金がかかっています。「こんなものまで?」と感じるものも経費に含まれる可能性があります。
それでは、フリーランスで働くデザイナーの経費として認められる、基本的な7つのお金について具体的にご紹介していきましょう。
デザイナーの経費として認められる基本的な7つ
デザイナーの経費として認められる、基本的な7つの出費についてご紹介します。この7つは忘れずに申告しましょう。
自宅兼オフィスの場合の地代家賃・水道光熱費
自宅として住んでいる一軒家や、借りているアパート・マンションで仕事をしている場合、つまり自宅がオフィスと兼用になっている場合は、地代家賃や水道光熱費も経費として認められます。といっても、100パーセントが経費として認められるわけではありません。自宅のうち「オフィス」として使っている部分・時間だけが経費として認められます。
たとえば1Kマンションなどの場合は、かなりの割合が認められる可能性がありますが、一軒家の一室の場合は、割合は相当少なくなります。こういった場合は「按分」といって、使っている場所と、使っていない場所の割合を計算し、使っている場所の割合だけを、家賃や固定資産税から計上します。
水道光熱費は、ネット関係の仕事の場合、電気代以外の水道代やガス代などはあまりたくさん認められないことが一般的です。
ネットや電話などの通信費とプロバイダ料金
ネットや電話、携帯電話代などの通信費や、プロバイダ料金は、必ず忘れずに申告しましょう。インターネット関係の仕事なので、これこそ経費です。携帯電話代やプロバイダ料金など、私用で使う事もあるものは、やはり按分が必要になります。面倒な場合は仕事用と私用を分けても良いのではないでしょうか。
仕事で使うソフトやパソコンの費用
仕事で使うソフトやパソコンなどの費用も経費になります。といっても、その際の値段によって扱いが異なります。1つで10万円を超えるものの場合、減価償却費となります。品物によって年数が決まっており、たとえばパソコンであれば4年になります。
減価償却費は、高額の物を買った場合に、決められた年数で割った金額を毎年経費として計上できるもので、その他に自動車などの高額品が挙げられます。仕事で絶対に必要な機器で、10万円を超える場合は減価償却費になるか、経費になるか税理士などに相談してみましょう。
宣伝活動を行った広告宣伝費
宣伝活動を行った場合、広告宣伝費も経費になります。これまで全然広告宣伝をしてこなかったという人は、経費で落ちるのでぜひ広告しましょう。自分が行ってきた仕事をポートフォリオにまとめたものをアップしたサイトなどを作り、こまめにブログを更新してゆくと、ブログが有料の物でも経費になります。
また名刺を作った場合も、宣伝活動になります。名刺はペーパーレスの時代にあってもやはり大きな力を持っています。経費になるので、デザイナーらしいスタイリッシュな名刺を作ってみましょう。
仕事に必要な書籍や資料にかかった費用
仕事に必要な専門書や資料などに使った費用も経費として認められます。ネットで買い物をした場合も多いかもしれませんが、その際も必ず領収書をとっておきましょう。
仕事の移動で必要だった交通費
仕事の移動やセミナー、同業者の集まり等に必要だった交通費も経費として認められます。その日、どんな仕事があったのか、どんなセミナーやスクール、集会があったのかなどの記録も残しておきましょう。
仕事上の付き合いで使った接待交際費
仕事上お付き合いがある同業者やクライアント、仕事をシェアしている仲間などとランチをしたり、夕食を食べながら打ち合わせをしたりした場合など、接待交際費として計上できます。 そういった場合も必ず領収書をもらっておくことを忘れないようにしましょう。領収書やレシートは、申告後も7年間保管義務があります。時系列にまとめておき、ファイリングするなど、バラバラにしないように保管しておきましょう。
デザイナーの経費として認められないもの
デザイナーの経費として認められないものも、例として挙げます。経費として認められるものとの違いをチェックしてみてくださいね。
ゲームなど趣味で購入したソフトなどの費用
ゲームなど、趣味で購入したりダウンロードしたりしたソフトの費用や、楽しみで買った漫画や小説本などの費用は、経費として認められません。あくまでも、仕事に直結するもの、仕事に欠かせないもののお金が経費です。関係ないものは経費になりません。
毎日の仕事以外の生活費
仕事に関係ないものといえば、毎日の生活費も同様です。生活費は仕事とは分けられるので、経費としては落ちません。
家賃・水道光熱費を経費として計上する時の注意点
家賃や水道光熱費を経費として計上する際、注意しておきたい点がいいくつかあります。申告前にチェックしておきましょう。
仕事場として使っている面積を明確にする事
先ほどもご紹介した「按分」ですが、なんとなく分けるのではなく、きちんと面積を明確にする必要があります。固定資産税、家賃などを計算するため、どれくらいの面積を使っているのか、一度明確にしてみましょう。
家賃や水道光熱費も時間で分けて計上する事
また、水道光熱費は、仕事をしている時間で分けると分かりやすいでしょう。家賃も面積だけでなく、時間でも按分して計算します。
【まとめ】曖昧さをなくしてクリーンな申告を心掛けましょう
経費の計算が面倒なのは、初年度の申告だけです。仕事場に使っている自宅の按分や、時間配分での按分などを、すべて明確に決めなければならないからです。 翌年からは、仕事の内容や家が変わらなければ、初年度を踏襲していけば良いですし、帳簿付けは会計ソフトにお任せできます。
最初の計算を曖昧にしてしまうと、結局後々まで影響が及ぶことになります。最初にきちんと計算し、クリーンな申告を心掛けましょう。