Macで確定申告したいけれど、手順や用意するものがわからない。あなたにも心当たりがありませんか?
2019年1月よりマイナンバーカードを使ったe-Taxが簡略化されました。マイナンバーカードとカードリーダーを用意すれば、自宅にいながらわずかな手間で事前準備と確定申告を済ませられます。
税務署におもむく手間を考えれば大きなメリットです。本記事では、Macで確定申告するときに必要なカードリーダーの選び方をご紹介します。
Macのパソコンで確定申告をする時の注意点
e-Tax(国税電子申告・納税システム)をするにあたって、Macは行政側の対応が遅れがちです。2019年の確定申告(平成30年1月1日~12月31日分)からようやくMac、Safariともに最新バージョンへの対応が始まりました。
Macで確定申告をする場合は、まずOSとSafariのバージョンを確認してください。
バージョンによっては送信エラーが出る
確定申告を進めるなかで送信エラー(「HJS0407E」など)が出た場合、OSやSafariのバージョンが推奨のものと異なっている可能性があります。平成30年度分の推奨バージョンは次の通りです。
OS
- Mac OS X El Capitan 10.11
- Mac OS Sierra 10.12
- MacOS High Sierra 10.13
- MacOS Mojave 10.14
Safari
- Safari 11.1
- Safari 12.0
また、カードリーダーのドライバも最新のものをインストールすることが重要です。OSやSafari、カードリーダーのドライバのバージョンには注意してください。
Macに対応しているカードリーダーを選ぶ必要がある
カードリーダーには「Windowsのみ対応」「Macのみ対応」「Windows/Mac対応」のものがあります。
Macで確定申告をするためにはMacのみ対応の機種を持っていれば最低限事足ります。ですが、先述したとおり行政側ではMacの対応が遅れがちです。平成30年分はともかく、翌年以降、ふたたび行政側でMacへの対応が遅れる可能性は充分にあります。
万が一のことも考えて、Windows/Mac対応のものを選んでおけば万全です。
確定申告で使うカードリーダーってそもそも何?
本記事で扱うカードリーダーとは、主にICカードの情報を読み取るためのPC周辺機器を指します。地方公共団体情報システム機構 公的個人認証サービス(以下JPKI)での公称は「ICカードリーダライタ」です。
確定申告ではマイナンバーカードの読み込みに使います。
ICカードの情報を読み取る事ができる機械
マイナンバーカードにはICチップという小型の集積回路が埋め込まれているため、ICカードのひとつに数えられます。
e-TaxではJPKIが選定したカードリーダーを使います。予算は3000円程度を見積もっておけば充分ですが、次にご紹介する型によってはより高価格な製品もあります。
カードリーダーの種類は3種類
- 接触型 カードリーダーにICカードを差し込んで使います。一番リーズナブルです。
- 非接触型 カードリーダーにICカードをかざすようにして使います。スーパーやコンビニの店頭でカードリーダーにポイントカードをかざすのと同じ原理です。
- 共用型 接触型と非接触型の仕様を兼ね備えています。価格帯は高くなります。
確定申告に使用可能なカードリーダーがある
すべてのカードリーダーが確定申告に使えるわけではありません。JPKIがマイナンバー対応機種を選定しています。予算や希望の型に合わせて機種を選びましょう。詳細は下記リンク(PDF)より参照できます。
⇒ICカードリーダライタのご用意 | 公的個人認証サービス ポータルサイト
また、カードリーダーは生産が終了したり、対応機種が変わったりすることがあります。MacOS、Safari、ドライバのバージョンとともに毎年確認しましょう。
Macでの確定申告に使えるカードリーダーメーカーは3社
JPKIが選定したカードリーダーは5社の製品です(2019年1月時点)。うち2社の製品は法人向けですので、個人事業や副業を営まれている方は、次の3社の製品からカードリーダーを選んでください。
アイデンティブ(株)
対応機種が一番多いメーカーです。
NTTコミュニケーションズ(株)
NTT系列企業というネームバリューから選択肢に多く入れられる傾向にあります。
サンワサプライ(株)
Macに対応しているのは1機種のみです。
Macで確定申告用する時のカードリーダーの設定と手順
Macとカードリーダーを使って確定申告を行うためには下準備が必要です。少々複雑ですが、以下にご説明するプロセスを踏めば、後は比較的スムーズに確定申告を済ませられます。
なおNTTコミュニケーションズ製「SCR3310-NTTCom」をお使いの方は特別な設定が必要です。別記します。本記事では初めて確定申告される方に向けてセットアップの方法をご説明します。
セットアップのプロセスを簡潔にまとめると、
- 「事前準備セットアップファイル」のダウンロード・インストール
- 「JPKI利用者ソフト」のダウンロード・インストール
- JRE(Java実行環境)のダウンロード・インストール
- 動作確認
以上のようになります。
順を追ってご説明します。
- e-Taxウェブサイトより「平成30年分事前準備セットアップファイル」をダウンロード・インストール
このプロセスは毎年必要です。今年は平成30年ですので上記をダウンロード・インストールします。 - JPKIウェブサイトよりJPKI利用者ソフト(公的個人認証サービス利用者クライアントソフト)をダウンロード・インストール
JPKI利用者ソフトをまだインストールしていない場合に必要なプロセスです。初めてMacで確定申告される方はほぼ上記のプロセスを踏むことになります。サイトの上部メニュー『利用者クライアントソフトのダウンロード』⇒左部メニュー『ダウンロードとインストール(Macをご利用の方)』よりページ下部に表示されるリンクからダウンロード・インストールしてください。 - JPKIウェブサイトよりJREダウンロードリンクをクリックしてダウンロード・インストール
『利用者クライアントソフト』をダウンロードしたページ内に推奨バージョンのダウンロードリンクがあります。クリックしてダウンロード・インストールしてください。
手順は「ダウンロードおよびインストール方法」というPDFファイルに従ってください。 - Mac側でアプリ一覧から『公的個人認証サービス』フォルダフォルダが生成されていることを確認
- マイナンバーカードをPCに接続
ここでカードリーダーとマイナンバーカードの登場です。動作確認をしていきます。 - 『JPKI利用者ソフト』を起動
- 『動作確認』ボタンをクリックし、正常に動作することを確認
カードリーダーにかかわる設定は以上です。
正常な動作が確認されない場合、いま一度最新のドライバがインストールされているか、カードリーダーがJPKI選定のものかなどご確認ください。
また、NTTコミュニケーションズ製「SCR3310-NTTCom」を購入された場合、少しプロセスが特殊になります。まずは事前セットアップファイルのダウンロード・インストールを完了してください。
次に、JPKIウェブサイト上部メニュー『事前の準備』⇒『STEP3 ICカードリーダライタの用意』より『NTTコミュニケーションズ製「SCR3310-NTTCom」をご利用の場合』項目をクリックします。
テキストおよびリンクがプルダウンで表示されますので、指示に従ってドライバをダウンロードしてください。他のプロセスは他機種と変わりません。
Macで確定申告する時のカードリーダーまとめ
行政の対応やカードリーダーの機種対応の関係から、Macでの確定申告はWindowsにくらべてまだまだ不便な点が多いのは事実です。ですが、今年から行政側で最新のMacOS、Safariへの対応も始まりました。Macユーザーにとっては朗報です。
Mac/Windowsに限らず、カードリーダーを使った確定申告はその年ごとに条件や状況が変動します。平成最後の確定申告を済ませたら、翌年も行政の対応をチェックしたり、最新ドライバをインストールしたりと必要なプロセスは発生します。
ですが、上記のような手間を差し引いてなお、カードリーダーを使った確定申告の利便性はあなどれません。ぜひ、2回、3回とカードリーダーを使って確定申告してみて、コツをつかんでください。