これまでサラリーマンだったが転職をしたという方や、個人事業主として仕事を始めた方など、初めて確定申告を行うという方も少なくありませんよね。「確定申告って面倒なんでしょう?」「どうすればいいのか分からない」という不安が大きいそんな時に知っておいてほしい、初めての確定申告で必要になるものと、3つの申告方法、注意すべき点についてチェックしてみましょう。
確定申告初めてでもわかる!書類の入手法
確定申告が初めてという方でもすぐにわかる、書類の入手方法についてご紹介します。まずは書類を手に入れるところから始めましょう。
一番わかりやすいのは税務署や関連機関でもらう方法
一番わかりやすいのは、税務署など国税庁の関連機関に直接出向いてもらう方法です。この方法なら、わからない点を職員に質問したりできますし、税務署が開催する確定申告についてのセミナーなどの情報も手に入りますよ。
市町村の役場などでもらう方法
市町村の役所・役場などでも確定申告に関する書類をもらうことができます。市町村の役場などでも税務署の職員による確定申告の説明会などを主催することもありますし、分からないことがある、という方は実際出向いてみると質問もしやすいでしょう。
国税庁のサイトからダウンロードする方法
国税庁のサイトからダウンロードすることもできます。国税局のサイトはこちらになります。
⇒国税庁
こちらから確定申告の書類をダウンロードして、ご家庭で印刷し、記入することで使用できるようになります。最も面倒のない方法と言えるでしょう。
税務署に書類を送ってもらう方法
税務署に書類を送ってもらう方法もあります。返信用封筒に切手を必要額面分貼り、自分の住所を記入しておきます。そこに希望する書類の種類を書いたメモを入れ、別の封筒で税務署あてに送ります。すると、入れておいた返信用封筒に必要書類を入れて返送してくれます。
確定申告の方法2種類とそれぞれに必要なもの
確定申告には、2種類の申告方法があります。聞いたことがある方も多いと思いますが、白色申告と青色申告です。それでは、それぞれのメリット・デメリットと、それぞれに必要なものをピックアップしてみましょう。
白色申告の内容とメリット・デメリット
白色申告とは、青色申告に比べて単純明快な確定申告になります。白色申告に必要なのは単式簿記の帳簿つけだけですし、確定申告の際は青色申告よりも単純な収支内訳書と、確定申告書Bがあります。
白色申告のメリットは、なんといっても帳簿つけが簡単で、手間がかからないという点になります。初めて確定申告を行う方にとっては、ハードルが低く、用意しなければならないものも少ないためトライしやすいですね。また青色申告よりも期限がゆるい手続きになります。
しかしデメリットもあります。デメリットは、青色申告で受けることができる節税効果のある控除が受けられない、という点が挙げられます。青色申告を行った場合と比較し、65万円の差が出る場合もあります。
また赤字の繰り越しもできませんし、従業員がいる場合、専従者給与が経費として認められません。一定額までの控除しかできないのです。
白色申告と青色申告に共通するのは「確定申告書B」
白色申告と青色申告に共通するのは、確定申告書Bという書類です。これは先ほどご紹介した国税庁のサイトでダウンロードできます。確定申告書Bは、基本的に個人事業主が使用するもので、所得の種類に関係なく誰でも使用できる便利な申告書です。
一方、確定申告書Aは、会社員やパート・アルバイトとしての一時所得だけという方に限られます。使用用途が広いので、必ず確定申告書Bを使用するようにしましょう。
白色申告に必要な収支内訳書について
収支内訳書は、白色申告でも必要な書類のひとつです。確定申告書Bとセットにして提出します。1月1日から12月31日までの売り上げや支出・経費などを記入し、最終的な利益を算出します。2枚の書類になります。
青色申告では別の書類を提出することになるので、収支内訳書は白色申告にのみ必要な特徴の一つと言えます。
青色申告の内容とメリット・デメリット
青色申告は、白色申告で単式簿記だったものを、複式簿記で申告する確定申告の形です。さらに白色申告では不要だった、事前の申し込みも必要になります。青色申告を行うためには、事前に開業届を出すことと、青色申告承諾申請書を税務署に提出する義務があります。
また確定申告にはさまざまな書類の提出期限があり、すべてひっくるめて3月15日までに提出となっています。中には3月15日までに提出しなければ受理されない控除関係書類や、延滞税が発生するものもあるので、期日を白色申告よりもしっかり守る必要があります。
メリットは、大きな節税効果です。青色申告でも単式簿記で申告できますが、それだと10万円までの控除になります。しかし複式簿記で申告すれば、最大65万円までの控除額になり、大きな節税となりますね。
さらに赤字の繰り越しができたり、減価償却を300万円まで一年一括計上できるというメリットもあります。家族従業員のお給料も経費にすることが可能です。自宅がオフィスという方は、家事按分として、家賃や光熱費などを計上することもできるのです。
青色申告に必要な青色申告決算書について
青色申告には、青色申告決算書を提出する必要があります。青色申告決算書は4ページになっており、損益計算書と貸借対照表からなります。日々の帳簿付けを決算書として記入します。
確定申告で控除に必要なもの
確定申告には、控除に必要な書類がいくつか存在します。それらを簡単にご紹介します。忘れると控除申請ができなくなるので、きちんとそろえておきたいですね。
- 生命保険料証明書
- 地震保険料控除証明書
- 住宅ローンの控除証明書
- 医療機関を利用した際の医療費明細書
確定申告初めてでもわかりやすい3つの申告方法
確定申告が初めてで戸惑っている方でも、とても分かりやすい3種類の申告方法があります。初めての方は参考にしてみてくださいね。
1:税務署に直接申告書と必要なものを提出する方法
必要な申告書と書類をそろえたら、期日中に税務署へ直接提出する方法が、初心者には一番おすすめです。何か足りないものがあればその場で指摘してもらえますし、分からないことにはすぐに答えてくれます。初めてという方は対人で申告できる方法で一度手続きしてみましょう。
2:税務署に書類と必要なものを郵送する方法
税務署に必要な書類をそろえて郵送する方法もあります。しかし初めての場合は書類に不備がある可能性があります。そのため、こちらは慣れてからの方がおすすめです。
3:ネットで簡単に申告する方法
普段から会計ソフトを活用している方なら、インターネットで簡単に申告ができます。事前にマイナンバーカードなどを使用してe-Taxを登録しておけば、国税庁のサイトから申告できます。忙しくて帳簿を手書きでつけていられない、確定申告に時間が割けないという方にピッタリです。
確定申告初めての方が注意すべき点
確定申告が初めてという方が注意しなければならない点についてご紹介します。確定申告前に必ずチェックしておきましょう。
確定申告に必要なものは早めに準備しておく事
確定申告に必要となるものは、早めに準備しておきましょう。確定申告は2月16日からですが、そこから準備を始めたのでは間に合わないかもしれません。特にマイナンバーカードをまだ作成していない方は、1月に入ったらすぐに申請しなければ間に合わなくなってしまいます。
申告できる控除は必ず忘れずに申し出る事
申告できる控除はたくさんあります。青色申告をすることで、控除も増えます。せっかく青色申告にチャレンジしたのに、控除の申請をし忘れてしまったら損をしてしまいますよね。
毎月の収支は会計ソフトを使うと簡単!
できればネットでe-Taxが活用できれば確定申告もラクラクになります。また青色申告に必要な複式簿記は、会計ソフトがあれば簡単につけることができます。ネットで確定申告を行うためにも、青色申告で税金対策を行うためにも、会計ソフト導入を検討してみましょう。
確定申告初めて!のまとめ
初めて確定申告をするという場合は、年が明けたらすぐに準備をはじめ、実際に税務署へ書類を取りに行って、税務署で申告を行いましょう。また一度試して慣れたら、会計ソフトを上手に活用して青色申告で税金対策にもトライしてみましょう。