初めての確定申告を簡単にするために、おさえておきたい重要項目があります。申告方法の違いと必要な書類、手続きを紹介します。
初めての確定申告!白色申告と青色申告の4つの違いと共通点
個人事業主のほか、会社員の副業収入については確定申告が必要です。選択できる申告方法をチェックしていきます。
確定申告には白色申告と青色申告がある
個人事業主の場合は、「白色申告」と「青色申告」のいずれかを選ぶことができます。
白色申告は事前申請がいらず帳簿付けも簡単
白色申告の場合には、役所への申請が不要です。開業後に青色申告をする申請を出さなければ白色申告となります。年間売上から必要経費を差し引き事業所得を計算します。事業所得に応じて、税金を支払います。
白色申告では「収支内訳書(2ページ)」と「確定申告書B(2ページ)」の作成となり複式簿記が不要です。青色申告よりも帳簿づけが簡素です。ただし青色申告で受けられる特典が受けられません。一部条件をのぞいて損失を繰り越せませんし、家族など専従者への給与を経費として扱えません。
青色申告は事前申請が必要で帳簿付けがちょっと複雑
青色申告するには、定められた期限内で税務署への申請書提出が必要です。控除額によって複式簿記、損益計算書や貸借対照表など、帳簿が複雑になります。
白色申告は特典が無く青色申告は特別控除がある
青色申告特別控除として最高65万円が控除されますし、3年まで赤字の繰り越しができます。その場合、利益が出た時に節税できます。「青色事業専従者給与」では家族を従業員として給料を計上し、経費とできます。事業の専従者であり、15歳以上の生計を同じくする配偶者や親族が対象となります。「貸倒引当金の計上」として年末の時点で売掛金や貸倒れによる損失の見込額も必要経費に参入できます。
提出する日はどちらも2月16日~3月15日まで
2019年(平成31年)の確定申告期間は2月18日(月)から3月15日(金)です。所得税も確定申告同様に、3月15日(金)までに納付しましょう。期限を過ぎても申告は可能ですが、期限後申告という扱いになり無申告加算税や延滞税が課される場合もあります。所得税、復興特別所得税は平成31年4月22日(月)、消費税および地方消費税については平成31年4月24日(水)が振替日となります。
確定申告が初めて!副業してる人の場合
「副業所得の合計」が20万円を超えたら確定申告が必要です。副業の「所得の種類」を確認しましょう。
会社が副業を許している場合は普通に確定申告をする
本業である会社の源泉徴収票と、副業の所得を証明する書類を使って確定申告をします。収入の種類によって源泉徴収票や支払調書のほか、不動産や投資関連収入にもそれぞれ書類があります。
会社にバレたら困る時は申告する時に注意する!
住民税の金額は、副業分と合算して本業の会社に通知されます。それを避けたい場合は、所得金額が20万円以下の場合も市区町村へ住民税の申告をします。確定申告書の「第二表」にある「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」という項目で、「自分で納付(普通徴収)」欄にチェックをいれて直接納税となります。
副業で年20万円以上の収入があったら確定申告をする
副業の所得金額が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。
副業じゃなくても投資や不動産売買などで収入がある場合も行う
「株の売買」の場合、所得の種類が「譲渡所得」になります。口座の種類によっては確定申告は不要になります。「不動産投資」の場合の所得の種類は「不動産所得」となり、確定申告に必要な書類の添付が必要です。
確定申告が初めて!個人事業主の場合
青色申告を選択する場合は、申告する年の3月15日までに所轄税務署長へ青色申告承認申請書を提出します。新規開業や相続での業務承継が1月16日以後の場合は、業務開始から2か月以内です。
白色申告ではなく青色申告を行おう!
青色申告にはメリットがあります。受けられる控除や、経費算入できるものには以下があります。
- 青色申告特別控除として、最高65万円の控除を受けられます。
- 青色事業専従者給与の必要経費算入。白色での事業専従者控除としては、配偶者の場合で最高86万円、15歳以上の親族は最高50万円となります。
- 純損失の繰越しと繰戻し。赤字を翌年以後3年間の所得金額から差し引いたり、前年分の所得税額の還付を受けることができます。
- 貸倒引当金。売掛金や貸付金など貸金の貸倒れによる損失の金額を、貸倒引当金として必要経費にできます。
利益を税金で減らさないために節税を行おう!
青色申告では控除額を多く受けられます。すべての個人事業主に当てはまる内容ではありませんが、青色事業専従者給与や貸倒引当金など経費算入できる項目もあります。活用するために、あらかじめ青色申告をしましょう。
会計ソフトを使って毎月の収支を記帳しておく
毎月の記帳義務をクリアし、収支の確認もデータ管理できます。確定申告時の作業量も軽減します。
確定申告の書類を作って提出する
複式簿記により記帳し、貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付します。取引を記録する書類は保存しましょう。
確定申告後に決定した税金の支払い方法
納付方法は大きく2つにわけられます。
- 現金に納付書を添えて直接支払う
- 銀行口座から自動引き落とし
「直接支払う」という方法
税務署で現金と納付書により支払うか、定められた金融機関へ納付書と現金を持ち込み支払います。税務署や金融機関に納付書の用意があります。ゆうちょ銀行、三井住友、三菱UFJなどの他、地方銀行や信用金庫なども対応しています。納付税額が30万円以下で「バーコード付きの納付書」の場合はローソン、セブンイレブン、ファミリーマート他、コンビニで支払い可能です。
「自動引き落とし」という方法
銀行口座からの引き落しで納税できます。一度口座振替依頼書を作成、提出すれば以後の引き落としも継続して行われます。
確定申告初めてでもネットでできる?やり方と準備について
自宅でインターネットを使い、ダイレクト納付やネットバンキングでの納税ができます。
ICカードリーダーを入手する
マイナンバーカードとカードリーダーを使います。ただし「ID・パスワード方式」を選択すれば、カードリーダーは不要です。
住民基本台帳カードを手に入れる
住民基本台帳カードの電子証明書は、社会保障・税番号制度の導入に伴い終了しています。マイナンバーカードの交付申請を行いましょう。
会計ソフトを活用して確定申告の書類の作成をする
書類作成に会計ソフトを利用することで、手順が簡略化できます。収支の入力や確認が容易で、控除関連の計算も自動で行ってくれるなど多くのメリットがあります。
e-Taxで確定申告を行う
e-Taxでの申告・申請ができます。e-Taxで送信できない添付書類については、税務署へ送付又は直接持参することになります。医療費の領収書や給与所得の源泉徴収票等の一定の第三者作成書類を入力し、提出を省略できます。
初めての確定申告ではこうする!まとめ
青色申告の申請をします。申請期間内にしていない場合は、白色での申告になります。それぞれの必要書類が違いますし、副業の業種によって「所得の種類」や収支の証拠書類が異なります。しっかりと確認しましょう。