個人事業を開業した際に忘れてならないのが青色申告申請です。フリーランスの青色申告には大きく分けて4つのメリットがあります。4つのメリットの詳しい説明と青色申告を超簡単にする会計ソフト2選を紹介しています。
フリーランスが青色申告の申請をする4つのメリット
確定申告の種類の1つは青色申告ですが、正規の複式簿記によるものにはメリットが出ます。青色申告の申請をフリーランスがすると、大きく分けて以下の4つのメリットがあります。どれも節税となるので個人事業の開廃業等届出書をフリーランスが提出する時には、一緒に所得税の青色申告承認申請書は提出したいところです。
65万円の特別控除が受けられる
正規の複式簿記による青色申告から見て、一番のメリットが65万円の特別控除が受けられることです。これは所得額を減らすメリットともなります。所得額を減らせれば、所得税に住民税と国民健康保険にかかる税金も安くなります。
これに基礎控除が38万円ありますので、合計103万円の所得までは税金がかかりません。単式簿記による青色申告の控除は10万円なので注意が必要です。
赤字の純損失の繰り越し控除が受けられる
青色申告者が赤字を出した場合は、翌年から3年間は赤字の繰り越しができるという制度があります。黒字の年に赤字の純損失の繰り越し控除が受けられるので、赤字を差し引いた額が所得の課税対象になるというものです。
純損失が繰り越せる所得は、事業所得、不動産所得、山林所得、譲渡所得です。赤字の純損失の繰り越しは、考えてみると黒字の年の節税になります。
家族に対して青色事業専従者給与を適用できる
家族に事業を手伝って貰っている場合、原則的に給料は経費にはなりません。確定申告を青色申告で行う場合は、支払った給料が青色事業専従者給与となります。
青色専従者としての要件がありますが、事前に青色事業専従者給与に関する届出書を提出しておきます。こうしておくと家族も専従者として認められるので給与を経費として計上できます。
減価償却の特例を受ける事ができる
通常でいうと10万円以上の固定資産では、耐用年数に応じた減価償却をすることになります。確定申告を青色申告で行う場合は、価格が30万円未満の資産が少額減価償却資産となります。
2019年3月31日までに取得したものに限られますが、取得した年度に経費として全額計上出来ます。ただし取得した価格合計が300万円以下となっています。
青色申告は全てのフリーランスがやった方が良い?
納税は国民の義務ですので、フリーランスであろうとなかろうとしない訳にはいきません。その場合は青色申告でなければ白色申告になります。白色申告は簡便な単式簿記ですが、それでも記帳の手間はかかります。
そもそも単式簿記は青色申告にもあります。以上を考えてみても青色申告は全てのフリーランスがした方が良いと言えます。
控除を受けられるので損をする事は無い
申告は誰でもしなければならないので、最初から控除を受けられるので損をする事は無いとも言えます。経費を漏らさず計上し節税するためにも、青色申告の複式簿記で帳簿を日常的に付けておくクセを付けましょう。
開業届が必要になるので自分のタイミングで!
一概に個々のタイミングで提出すればよいのですが、普通は事業を始めたときに個人事業の開廃業等届出書を所轄の税務署に出します。すでに個人事業主になっている場合は、所得税の青色申告承認申請書の提出もスムーズにいきます。提出期限は開業から1か月以内となっています。
フリーランスの青色申告の書き方
今までは税理士等に依頼する場合も多かった青色申告ですが、最近は会計ソフトも充実し自分で青色申告もできるようになっています。青色申告の書き方も入力の仕方に変わってきています。複式簿記には必須の総勘定元帳や仕訳帳も会計ソフトで簡単にできるようになっています。
まずは青色申告承認申請書を提出しておく
青色申告をする場合には、所得税の青色申告承認申請書の提出が必要です。これは青色申告しようとする年の3月15日までと期限が決まっています。またその年の1月16日以後に開業した場合は、その開業の日から2か月以内ともなっています。期限までに自分の納税地の税務署長に送付か持参で提出します。
複式簿記で収支の帳簿を付ける
青色申告の正規の複式簿記の場合、当たり前ですが複式簿記で収支の帳簿を付ける必要があります。手書きの時代は大変な苦労をされたようですが、今はパソコンで入力するだけです。もっとも最新の会計ソフトでは入力も自動読み込みになってきています。
提出用と控えの2部作成する必要がある
提出書類のには原則として正副があります。同一内容を記載したものになるので、青色申告の複式簿記の正を納税地の税務署に提出します。副は自分が持っておく控えの分として2部作成する必要があります。
申告の書き方が複雑で難しい場合はソフトを使う
多くの人にとって申告の書き方が複雑で難しい場合がほとんどです。最近は確定申告書にソフトを使うのは当たり前になっています。基本情報の入力から始まり、青色確定申告を作成する時に必要な情報を入力します。非常に優秀なので初心者でも問題ありません。
青色申告の申告が簡単にできる会計ソフト2選
青色申告の申告が簡単にできるクラウド型会計ソフトを2つ紹介します。どちらも申告書を作成する労力を大幅に減らしてくれる優れものです。普段の会計業務から使ってると、入力を済ますだけで申告書まで一連の流れでできるのでいうことなしです。
freee株式会社の「freee」でサクッと簡単に!
経理の初心者でも確定申告の書類を簡単に作成できます。質問に答えるだけという優れもので、スマホからアプリを使用して作業もできます。レビュー数も多く平均点4.4点と人気の高いアプリとなっています。クレジットカードやネットバンクをfreeeに連携すると、クレジットカードや銀行口座の明細を自動で取得します。
さらにそれらを自動で帳簿付けし勘定科目などを推測します。スマホアプリを利用すれば、レシートを撮影した画像をAIが自動解析します。事業以外の株やFX、不動産所得などにも対応しています。もちろん難しい知識がなくても所得税の計算は自動で出来ます。マイナンバーカードを利用すれば、書類を作成と同時に電子申告で提出もできます。
MFクラウド確定申告は初心者でも超簡単!
クラウド型の確定申告ソフトは初心者でも超簡単で会計業務ができます。クラウド型なので、会社のパソコンが無い場合でも利用ができます。明細データの自動取得をはじめ仕訳の自動入力など、面倒な作業はほとんど自動化されています。場所や時間を選ばないフリーランス向けのソフトとなっています。
青色申告決算書など確定申告の必要書類も自動作成出来ます。もちろん電子申告にも対応しています。
フリーランスの青色申告申請のまとめ
節税では意味合いが大きいのがフリーランスの青色申告申請です。個人事業を開始した際に忘れてならない青色申告申請の4つのメリットを説明してきました。内容的に難しい青色申告申請を超簡単にする会計ソフト2選も紹介してきました。フリーランスでこれから青色申告申請を考えてる方の一助となれば幸いです。