みなさんは、プログラマーの35歳定年説って聞いたことありませんか?
IT業界では昔からよく聞く問題です。前提として、実際の現場では40代以上でもバリバリ活躍しているプログラマーはたくさんいます。では、なぜ60歳や65歳で定年を迎える方が多い時代に、未だにこんな説が根付いているのでしょうか?
また、転職適齢期があるとしたら上限は何歳までだと思いますか?というアンケートの結果、IT業界で働いている人の実に44%もの人が35歳と回答しています。
この、プログラマー35歳定年説について今回は4つの理由を挙げてみたいと思います。
1.コスト問題
最近は変化しつつあるようですが、日本の企業の多くは年功序列型の給与体制をとっています。すると年齢が上がるにつれ賃金も当然上がっていきます。この体制のもとでは高年齢のプログラマーに仕事をさせるには高単価になりコストがかかるという考えが出てきます。その為若い人材育成に力を入れることになりますが、IT業界はその傾向が他業種に比べ顕著に現れます。なぜなら、多少技術が劣っていても、若い人のほうがコスト安という現実があるからです。また、プログラマーの仕事が体力的にも精神的にも厳しいので、激務に耐えるには若い方がいいという考えもまた現実なのです。
2.マネージメント問題
ある程度の年齢になってくると、個人のスキルももちろん必要ですが、それ以上に若いエンジニアの育成を任されるようになってくることが多いと思います。多くの会社でそうであるようにプログラマーの社会でも後身の育成は非常に重要な問題です。また、多くの経験を積み長く組織の中にいると管理職への道も見えてくるでしょう。そのような問題から、35歳付近が定年というよりは組織の中の立場として第一線で活躍する技術者から離れていく人が多い年齢であるということでしょう。上記のアンケート結果の中でも理由として、管理職への移行という理由が最も多い結果となりました。
3.体力的問題
体力的な問題は年齢を重ねるごとに深刻になっていく問題です。体力には個人差あるかと思います。若くても元気が無い人もいれば、高齢になっても元気な人もいます。若いうちからの体力づくりの差が比較的顕著に出てくるのが30台半ばなのでしょうか。そしてプログラマーという職業は激務と言われ、現実問題として過酷な職場も多いです。
しかし、労働条件などが見直されつつある現在ではプログラマーの体力的寿命も延びつつあるようです。周囲のプログラマーと職場についての意見交換をして、明らかに労働環境が悪い場合は転職を考える必要も有るかもしれません。
4.新技術の習得、学習能力低下問題
この問題はいろいろな考え方ができると思います。計算能力や暗記力といった面では年齢と共に低下していくのは避けられません。しかし、プログラマーに1番大切なのは物事を論理的に道筋立てて考える論理的思考能力です。これはむしろ様々な経験を重ね年齢と共に高まっていく能力だと思います。
プログラマーの技術力は経験と共に積み上げた能力が重要なので年齢によって問題になることは少ないと思いますが、プログラミングは日々進化していくものなので、問題になってくるのは最新技術への対応能力です。この部分が年齢の影響を1番受け定年説が浮上する1つの要因になります。
まとめ
今回は、プログラマーの年齢は35歳が限界といわれる理由について考えてみました。
フリーランスとして働くのではなく、企業に属して仕事をする場合にはコスト問題やマネージメント問題は避けることができないかもしれません。しかし、体力的な問題や新技術の習得については努力次第といったところでしょうか。
もし、35歳付近で悩んでいる人がいたら、思い切って転職や企業という道もあるかと思います。環境を変えることで、新たな技術に興味が沸き更なる成長ができるかもしれません。