クラウド会計・確定申告

フリーランスが確定申告で家賃を経費にできる3つの条件と割合

「確定申告」……この文字を見るだけで憂鬱になる、という人も多いのではないでしょうか。源泉徴収のない環境で働くフリーランスならなおさらですよね。

「大事なのはわかる。でもめんどくさい……」

誰もがそう思う確定申告。でも、月々の支出の中の大部分を占めているであろう家賃を、必要経費として計上できるとしたらどうでしょう。「そんなことできるの?」「聞いたことはあるけどやり方がわからない」という方は、ぜひこの記事をご覧ください。

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確定申告時のフリーランスの経費と家賃の関係

フリーランスのような個人事業主でも、事業所得が年間38万円以上ある場合には、毎年確定申告を行わなくてはいけません。

確定申告を行う際、仕事上必要となった支出については「経費」として計上することができますが、場合によっては自宅の家賃も経費に含めることができます。それは一体、どんな場合なのでしょうか?

自宅で仕事をするフリーランスは家賃を経費にできる事がある

答えは、自宅を仕事場として使っている場合です。

自宅を仕事場として使っているフリーランスは、家賃や水道光熱費を経費として計上することができます。ただ、何も考えずに全額を計上できるかというと、そんなに単純なものではありません。

家賃全てを経費として計上できるわけではない

確定申告の際に計上できる「経費」とは、仕事上必要となった費用のことです。なので、仕事上使われなかった生活費の部分は除外しなくてはなりません。つまり、経費として計上できる家賃は、あくまでも一部のみとなります。

税務署が納得できる理由がある場合は経費として認められる

フリーランスの場合は、家賃のうちどれだけが仕事上必要であったのかを自ら計算したり、その根拠となる書類を用意したりして、税務署を納得させられる形で確定申告をする必要があります。

逆に言えば、経費として計上できる数字自体はこちらに任されており、ある程度自由な采配で決定できるということです。しかし、面倒くさいからといって適当に計上したり、書類に疑わしい点があったりしたら、税務署から調査される可能性もあります。

また、仮に経費を大幅に水増しするなど、虚偽の申告が発覚すれば、ことによっては脱税容疑で国から摘発されてしまうかもしれません。

フリーランスが確定申告で家賃を経費に計上できる3つの条件

さて、ここからは実際にフリーランスが確定申告の際、家賃を経費として計上するための条件を見ていきましょう。

家賃計上の際には「按分(あんぶん)」という考え方を用います。按分とは「基準となる数量に応じてものを分けること」です。今回のケースであれば「家賃全体から、仕事に関係する部分だけを割り出す」ことを家賃を「按分」すると言います。

家賃按分を証明する根拠を用意する

ここで注意点です。実は、既に判例として「自宅兼事務所の家賃が必要経費として認められなかった事例」というものがあります。(東京地裁平成25年10月17日判決)

この時問題とされたのは、自宅兼仕事場が「居住用部分と事業用部分とに明確に区分することができる状態にない」ということでした。裁判所は、家賃の一部など家事関連費を必要経費として差し引くための要件として、以下の2つを挙げています。

  1. 事業所得等を生ずべき業務の遂行上必要であること
  2. その必要な部分の金額が明確に区分されていること

このような裁判沙汰を未然に防ぐためにも、按分の算出にあたっては「合理的な基準」をもたねばなりません。合理的な基準とは、その大元となる根拠がはっきりしているということです。

家賃の場合であれば「床面積」や「労働時間」といったことが、按分算出の際の根拠として問われることになります。

業務を行うのにその場所が使われている事を証明できる

まず、床面積を按分の基準とする場合から見ていきましょう。

自宅兼仕事場の場合は、仕事場とプライベートの空間は完全に分けて考えなければなりません。自宅の面積を事前に測ったり確認したりした上で、「そのうち何%が仕事場として使用されているか」を明らかにする必要があります。

例えばワンルーム25㎡、家賃6万円の物件であったとします。そのうち仕事場とプライベートの空間の比が3:7であったとすれば、床面積による按分は以下のようになります。

  • 床面積による按分:60,000円×3/10=18,000円

作業時間や作業に使った日数が明確にわかる

「1日のうち何%を仕事時間に当てているか」「月々の仕事日数は何日間か」といったことが明確であれば、それも按分の基準となりえます。上と同じ条件で、1日8時間、月に20日働くとすれば家賃の按分は以下のようになります。

  • 労働時間・日数による按分:60,000円×8/24×20/30≒13,333円

「これだけ?」と思ってしまうかもしれませんが、実際のところは、後でも触れるように家賃の4分の1くらいが経費としては妥当とされているようです。

確定申告する時に家賃を経費とするための証明について

フリーランスが家賃を経費として計上する場合には、家賃を按分して算出することが必要だということを見てきました。

計上する金額が妥当なものだと判断されるためには、それを証明できるだけのデータを集めておく必要があります。万が一税務署から疑われた際でも対応できるように、普段から以下の4点に気をつけておくとよいでしょう。

1日の作業時間や稼働日数をしっかりと記帳しておく

労働時間から家賃の按分を算出する場合には、1日あたりの作業時間や月の稼働日数を考慮する必要があります。特に日々の労働時間が定まっていないフリーランスの場合は、後から計算しようとしても難しい場合が多いので、1日の仕事を終えたらその日の労働時間をメモ帳や表計算ソフトなどに記入しておくとよいでしょう。

作業スペースとして使用している場所の間取り図の作成

床面積の割合から家賃の按分を算出する場合には、自宅兼仕事場の間取り図を作っておくと効果的です。その際、仕事場とプライベートの空間が一見して判別できるような形にしておくと良いでしょう。

家賃の支払いの証明のための通帳記録を用意する

確定申告の際に家賃を経費として申請する場合であっても、賃貸契約書のような書類を添付する必要はありません。ただ、月々の支払いを証明できるように、銀行通帳の振込履歴を印刷するなどして保管しておきましょう。

パソコンの履歴やシステムツールのログアウト時間のデータ保存

IT化が著しい昨今では、職務にあたる際にはパソコンが必須というフリーランスがほとんどなのではないでしょうか。パソコンやシステムツールの利用時間=稼働時間という場合には、その時間を基準として按分を算出することができます。その場合は使用履歴やログアウト時間をデータとして保存しておくのが有効です。

フリーランスの家賃と経費はどこまで?申請する時の注意点

さて、家賃の一部が経費として証明できるだけの根拠が集まったところで、実際にする際のの注意点について見ていきましょう。

家賃の4分の1が妥当

結局のところ、フリーランスの自宅兼仕事場の家賃を経費として計上する際、妥当とされる割合は4分の1(25%)程度が妥当なようです(場合によっては30〜40%でもよいとされます)。

もちろん、自宅内に完全に仕事場としてしか使っていない部屋があるなど、経費計上の根拠とその証明方法が明らかな場合には4分の1を超えても問題はありません。

水道光熱費は作業時間と作業日数から算出する

これまでは家賃だけを見てきましたが、水道光熱費やインターネットの料金の場合はどうなるのかも気になりますよね。

結論から言うと、自宅兼仕事場の水道光熱費等を経費として計上する際には、作業時間と作業日数を基準に按分を算出します。月々の支払い総額のうち、自宅で仕事をした時間分を割り出した金額が計上額となります。

また、電気料金の場合は時間や日数の他にも、使用したコンセントの数を基準として算出すると言う方法もあります。

フリーランスの確定申告と家賃のまとめ

さて、この記事ではフリーランスや副業を行なっている人が、家賃の一部や水道光熱費を経費として確定申告で計上するための方法や、注意点について見てきました。以下に、按分の基準となり得る根拠についてまとめておきます。

  • 家賃:作業上必要な床面積or作業時間・日数
  • 水道光熱費:作業時間・日数
  • 電気料金:作業時間・日数or使用したコンセントの数
  • インターネット・電話料金:作業時間・日数

毎年の確定申告は面倒が多く大変ですが、だからといって申告しないでいれば脱税の罪に問われかねません。また、節税を行うためにも必須のものとなります。わからないことがあれば税務署に相談してみるのが良いでしょう。

また、クラウド会計ソフトなどを使えば、簡単に日々の帳簿をつけることができますし、確定申告の手間を大幅に減らすことができます。最近ではインターネットで無料で使える便利なツールも増えているので、それらも駆使したマメな税金対策を心がけてはいかがでしょう?

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