フリーランスで働く人が増加傾向にあると言われています。現在、日本の労働力人口の17%を占めるという調査結果もあります。フリーランスで働くことには、企業に就職して働くこととは違った魅力がありますが、「自由」である分、自身の責任でやらなければならないことも出てきます。
特に重要なのが帳簿をつけるという点です。ではフリーランスで働く方が帳簿をつけることの本当の理由と、おすすめの会計ソフトを3つご紹介します。
フリーランスが帳簿をつけなくてはならない2つの理由
フリーランスが帳簿をつけることには、2つの理由があります。ではなぜ自由に仕事ができるはずのフリーランスで働く人も、帳簿をつけなければならないのでしょうか。
毎年3月に確定申告をする必要があるため
一つ目の理由としては、確定申告があるためです。会社で働いている場合は、会社が報酬などを管理してくれるので、副業をしていなければ確定申告をする必要はありません。でも、一元管理してくれる会社で働いていないけれど、収入がある人、つまりフリーランスで働く人には、確定申告をする義務があります。
確定申告をするためには、資料がいろいろ必要になります。それは確定申告を行う3月になって「さあ作ろう」というわけにはいきません。その都度記録しておかなければならない事がたくさんあります。そのため、帳簿を付ける必要があるのです。
事業者は帳簿の記帳と保存は義務とされているため!
事業者とは個人事業主と法人(会社)のことです。フリーランスで働く人は、ほとんど個人事業主として開業届を出し、税務署に事業をスタートすることを知らせる必要があります。個人事業主として登録すると、帳簿への記帳とそれら資料の保存が義務付けられます。
事業は反復・継続する仕事を独立して行うことで、一時的なアルバイトなどとは異なります。一時的なアルバイトで継続・独立していない場合は事業者ではない人の一時所得や雑所得になるため、確定申告でも扱いが違ってきます。
そもそも帳簿とは?種類・保存期間について
そもそも帳簿とはどんなものなのでしょうか。個人事業主がつけなければならない帳簿の種類や、保存期間について調べてみました。
収支を仕分けして記載した帳面の事
帳簿とは、収支や取引の内容を仕分けして記録した帳面のことです。どんな個人事業主でも、会社でも、取引をすることや必要な備品・機材などをそろえることで、収入や支出が生じますよね。こうしたお金の動き・商品の動きなどを仕分けて記載したものが帳簿です。
法定帳簿と任意帳簿に分けられる
帳簿は、法定帳簿と任意帳簿に分けられます。法定帳簿は白色申告の際は簡易簿記でも構いません。また青色申告の際は10万円控除なら簡易簿記で大丈夫です。しかし青色申告の65万円控除の場合は、複式簿記となり、主要簿と補助簿が必要になります。白色申告の際は法定帳簿と任意帳簿だけに分けられています。
法定帳簿とは収入金額や必要経費を記載した帳簿
法定帳簿とは、事業の収入金額や必要経費などを記載したものです。白色申告者は必ず保存しておかなければなりません。しかし難しい帳簿にする必要はなく、1日の現金売上なら合計金額を記載するだけでも大丈夫です。
任意帳簿とは業務に関して作成した帳簿
任意帳簿とは、業務に関して作成した帳簿で、法定帳簿以外のものを指します。固定資産台帳や売掛帳などの帳簿です。
領収書などは7年間は保存する
領収書などの書類はどんどん増えて困るものですが、保存しなければならない期間が義務付けられています。領収書とは、ご存じの通り代金を受け取る際に発行する書類で、代金を支払う際にもらう書類です。こういった書類を「証憑書類」(しょうひょうしょるい)と呼んでいます。
これらの領収書は確定申告の期限日から起算して計算します。白色申告の場合は領収書類を5年間保存するように法律で定められています。青色申告の場合は7年間です。
しかし白色申告の場合も他の書類の保存期限が7年間なので。領収書類も合わせて7年間保存しておくようにしましょう。
忙しいフリーランスの人が帳簿を簡単につけられるソフト3選
フリーランスで働くということは、時間が自由になる代わりに「すべての時間を仕事に充ててしまう」という欠点もあります。そんな忙しいフリーランスの方には、手書きで帳簿をつけるのではなく、簡単につけられるソフトを活用することをお勧めします。
業務の効率化を図るなら「弥生会計オンライン」
業務の効率化を図るなら、なんといっても弥生会計オンラインです。弥生会計オンラインは、従来から普及していたパッケージ版のクラウド版です。クラウド版はインストールやアップデートの必要がなく、ログインをすれば常に最新版を利用できます。また老舗だけあって、操作性が分かりやすくて簡単!クラウド版なので出張先でも帳簿をつけることができます。
無料で最も多機能な「freee」
Freeeは、無料から使用できる会計ソフトです。無料で使用できる会計ソフトはいろいろありますが、無料で利用可能な部分がもっとも多機能で使い勝手も良いのがfreeeです。毎日の帳簿付けはもちろん、質問に答えていくだけで確定申告に必要な書類ができてしまうという優れモノです。
簡単に帳簿がつけられる「MFクラウド会計」
MFクラウドはとにかく確定申告が簡単にできるようになる会計ソフトです。サポート体制がしっかりしており、個人事業主になったばかりという方もすぐに使えるようになります。また他社の会計ソフトからの乗り換えも簡単にできますよ。小規模事業主に嬉しい無料のフリープランから、初心者に優しいベーシックプランなどいろいろなプランから選べます。
フリーランス必見!計上したい経費の種類について
フリーランスでお仕事をしている方必見の、計上したい計上したい経費の種類についてご紹介します。知らないと損をしてしまいますよ。
自宅で開業しているなら家賃・光熱費
自宅で開業しているなら、家賃や光熱費、水道代なども仕事で使用している分を計算し、経費として計上できます。これを「家事按分」といいます。フラワーアレンジメントやアクセサリー作成などの在宅ワークを、腰を据えてスタートしたい、本格的にネット開業したいという方は忘れずに計上したいですね。
打ち合わせの食事代
取引先などとの打ち合わせで食事をした時などは、会議費として計上できます。また食事代などは交際費に該当する場合もあります。取引先が行っているイベントに参加した時のチケット代なども、交際費に含まれますよ。
インターネットや携帯電話代
インターネットや携帯電話は、今やほとんどの仕事に欠かせないものになっています。これがなくては仕事にならない、というものは経費に計上できるので、もちろんインターネットの料金や携帯電話料金も計上可能です。
資料としての書籍や雑誌など
デザイナーやプログラマーなど、資料が必要になる仕事もあります。文筆関係もそうですね。そんな時に使用した書籍や雑誌などを購入した場合、これも経費として計上できます。写真集などは非常に高価なものもあるので、忘れないようにしたいですね。
自家用車を仕事で使う場合は車・自動車税・ガソリン代
自家用車を仕事で使用している場合には、自動車の購入費(下取りがあった場合はその分を除く)、自動車税、ガソリン代など、自動車に関わる費用も経費に計上できます。自家用車にかかる費用も大きなものなので、必ずチェックするようにしましょう。
生命保険の掛け捨て部分のみ
生命保険の場合は、生命保険料控除を受けることはできます。個人事業主ではなく、法人化した場合には保険契約者が法人で、受取人が法人や役員等の遺族である場合のみ、掛け捨て部分だけ経費に計上できます。フリーランスの場合は個人事業主のケースが多いと考えられるので、多くは生命保険は控除のみという方になるでしょう。
フリーランスの帳簿のまとめ
フリーランスの方も、白色申告や青色申告など確定申告を行うにあたり帳簿を作成しなければなりません。その際には、簡単に帳簿が管理できて、確定申告も簡単になる会計ソフトを導入することをおすすめします。
また計上できる経費もいろいろあります。在宅の場合は家賃や光熱費など、外に出る仕事の場合は自家用車にかかるお金などいろいろな経費が計上できるので、うっかり忘れないようにしたいですね。